2015年10月31日土曜日

金にまつわるユダヤの格言

金にまつわるユダヤの格言
金は道具である、道具に支配される者などいない。だから、道具はできるだけ多く持っている方がいい。  
富は要塞であり、貧苦は廃虚である。
金は、本質以外のモノなら何でも買える。
すべて金で買うことができるが、知性だけは買うことができない。
金のために結婚する者には不良の子が育つ。

金をなくしても、何も失わない。誇りをなくせば、多くを失う。 勇気をなくせば、すべてを失う。
金銭は無慈悲な主人だが、有益な召使いにもなる。
金を失うのは人生の半分を失うことだ。しかし勇気を失うのは、人生のすべてを失うことだ。
金持ちになる方法は一つある。明日やる仕事を今日やり、今日食べるものを明日食べること。
金持ちとは、自分の富から収益をあげ、その富を楽しむ者である


2015年10月29日木曜日

脳神経細胞再生、たんぱく質発見

脳神経細胞再生、たんぱく質発見…新薬に期待も
 富山大大学院医学薬学研究部の山本誠士助教らは、脳の神経細胞再生に関わる複数のたんぱく質を発見したと発表した。 山本助教は「脳梗塞患者などに有効な神経再生治療で応用でき、新薬開発につながる可能性がある」と話している。論文は、近く米科学誌ステム・セルズ電子版に掲載される。

 脳の神経再生は、脳梗塞やアルツハイマー病などの治療法として有望視されているが、十分な効果を得られる治療法はまだ確立されていない。
 今回の山本助教らの研究では、脳梗塞となったマウスを使って、神経細胞にあるたんぱく質「PDGFR―β」が、脳神経の再生に及ぼす影響を解析。脳梗塞部に向かって、神経細胞に変化していく細胞が移動する過程を調べ、神経再生にたんぱく質の「インテグリンα3」と「CXCL12」が重要な役割を果たしていることを発見した。

 また、梗塞部の血管周辺の細胞で、PDGFR―βが活性化することで、脳神経の再生が促進される可能性があることがわかった。
 こうした脳の神経細胞再生にかかわる仕組みを今後、さらに詳しく解明することで、脳梗塞などの治療に役立つ新薬の開発につながる可能性があるとしている。

 この研究は、山本助教のほか、同大の笹原正清教授、元同大大学院生の佐藤光氏が行った。20151029 1826分 読売

彗星に大量の酸素を発見

彗星に大量の酸素を発見、「大きな驚き」太陽系形成の通説覆す?
【パリAFP=時事】欧州宇宙機関(ESA)の無人探査機「ロゼッタ」を伴い8月に太陽に接近通過した彗星(すいせい)に、予想外の大量の酸素が存在することが分かったとの研究結果が28日、発表された。
*(写真は67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星)
 米ミシガン大学の科学者、アンドレ・ビーラー氏は、今回の発見は「大きな驚き」であり、太陽系形成に関する通説を覆すものだと述べている。
 観測データは、67P・チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を取り巻くガス中の酸素分子(O2)が、彗星が形成される「以前か、その最中」に存在していたことを示唆していると、ビーラー氏は記者団に語った。「この酸素は始原的、つまり太陽系より古いものと考えられる」という。
 これは、約46億年前の太陽系形成にかかわる化学に関する人類の理解に影響を及ぼすかもしれない。これまでの説では、67Pなどの彗星上にO2は存在しないはずだとされていた。
 通説では、生まれたての太陽系は混沌とした状態にあり、天体同士の衝突によってまき散らされた物質が、形成されたばかりの太陽に近づいたり、離れたりしながら漂っていたとされていた。酸素を含む原始の氷の粒はこのような荒々しい環境には耐えられなかったとされ、太陽系形成の過程はこれまで考えられていたよりも「穏やか」だったと推測できると、研究チームは述べている。
 今回の発見に関する英科学誌ネイチャー掲載の研究論文の共同執筆者、スイス・ベルン大学のキャスリン・アルトウェッグ氏は、O2は他の元素と非常に容易に結合するため、「酸素が(原始の状態で)数十億年間も『生き残る』ことができるとは思ってもみなかった」と話す。
 「酸素が太古の物質であることを示すこの証拠により、太陽系形成に関する理論モデルの一部の信頼性が揺るがされる可能性が高い」とアルトウェッグ氏は指摘した。〔AFP=時事〕(2015/10/29-14:01

植物「透明化」

植物「透明化」する薬開発…名大研究グループ
 植物の構造を残したまま内部の様子を調べることが可能になる。成果は英科学誌「デベロップメント」オンライン速報版に掲載された。
 グループの栗原大輔・特任助教らは、植物のクロロフィル(葉緑素)など、光の通過を妨げる物質を、細胞の外に排出する試薬を開発。花や葉などを試薬に3~4日間浸し、蛍光色素で染めるなどの処理をして光を当てれば中が透けて見える。解剖をしなくても、雌しべの中を花粉管が伸びる様子など、組織の内部を観察できる利点があるという。


 栗原特任助教によると、海外では植物を透明化する別の技術が発表されているが、作業に時間がかかるなどの難点もあったという。栗原特任助教は「開発した試薬は誰でも簡単に使うことができ、科学的な植物研究の加速につながるはず。教育の現場などでも利用してもらえるのではないか」と話している。20151029 0736分 読売

未確認物体が地球に接近

未確認物体が地球に接近、11月に落下へ
*宇宙ゴミは宇宙飛行士だけでなく、地球にも脅威になる?(想像図)
(CNN) 宇宙を漂う正体不明の物体が地球に接近し、11月にインド洋に落下する見通しとなった。隕石にしては軽すぎることから、恐らく使用済み人工ロケットの残骸だろうと専門家は推定している。
物体の直径は約2メートル。欧州宇宙機関(ESA)によれば、地上の人間に危険を及ぼす恐れはほとんどないという。大気圏突入で燃え尽きなかった断片は11月13日、スリランカの南岸沖約100キロの地点に落下する見通し。
「物体は白昼の空で数秒の間、非常に明るく輝いて見え、素晴らしい天体ショーが観測できる」とESAは予測する。
*宇宙ゴミが地球を周回している=NASA
この物体は3日に発見され、「WT1190F」と命名された。専門家が分析したところ、密度は水の10%程度と隕石にしては低すぎることが判明。内部は空洞になっていると思われ、使用済みのロケットブースターの可能性が大きいと推定している。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者、ジョナサン・マクドウェル氏は科学誌ネイチャーへの寄稿で、もしこれが人工の宇宙ゴミだと判明すれば、「忘れられた宇宙の歴史の断片が戻って来て我々を脅かす」ことになると指摘した。
過去には1979年に宇宙ステーション「スカイラブ」が大気圏に突入し、燃え尽きなかった破片がオーストラリアに降り注いだことがある。

現在地球に接近中のWT1190Fについても、世界的な観測プロジェクトが組織されている。2015.10.28 Wed posted at 12:26 JST

ギリシャで先史時代の王墓を発掘

ギリシャで先史時代の王墓を発掘 1400点超の宝物が出土
*クレタ島の雄牛をかたどった金の指輪
(CNN) ギリシャ南西部のピュロスで、約3500年前の青銅器時代に葬られたとみられる王族の墳墓が発掘された。同国文化省が28日までに明らかにした。
同省は人骨のほか、青銅の刀剣や金の宝飾品など1400点を超える副葬品が出土したと発表。単独の墳墓からの出土品としては国内最大の規模だとしている。

発掘したのは米シンシナティ大学が主導する考古学の研究チーム。ピュロスにある宮殿跡の近くを掘り進めるうちに、手つかずの竪穴式墳墓を発見したという。
中からは青銅器時代の王族とみられる人物1体の骨に加え、女神や動植物をかたどった金の指輪やネックレス、杯、複雑な模様が彫られた50個を超える印章石などが出土した。
これらの品々には、ピュロスの南東に位置するクレタ島で栄えた古代ミノア文化の様式が取り入れられているという。欧州文明の起源を探るうえで重要な発見だとして、考古学界には驚きと興奮が広がっている。

墳墓に埋葬された人物について、シンシナティ大学のシャロン・ストッカー上級研究員は「現時点で特定することはできない」と説明。ただ極めて地位が高く、かつ裕福な人物だったとみられるとの認識を示した。2015.10.28 Wed posted at 19:39 JST

2015年10月24日土曜日

アルコール噴き出す彗星

アルコール噴き出す彗星…毎秒ワイン500本分
*大量のアルコールを噴きだしていることがわかったラブジョイ彗星(今年1月撮影、和歌山県のみさと天文台提供)
 【ワシントン=三井誠】米航空宇宙局(NASA)は23日、太陽に今年初めに最接近して話題になった「ラブジョイ彗星すいせい」が噴き出すガスには21種類の有機分子が含まれるとする研究結果を発表した。

 NASAによると、有機物はこれまでも別の彗星で見つかっていたが、今回は、飲む酒の成分であるアルコール(エチルアルコール)を初めて確認した。その量は、太陽に接近しているときには毎秒でワインボトル500本分にもなるという。NASAは「(愛と喜びの言葉をつなげた)ラブジョイという名前にふさわしい」とコメントしている。

 研究チームは今年1月、スペインにある大型望遠鏡を使って、ラブジョイ彗星の大気をマイクロ波と呼ばれる電波で観測し、含まれている分子の種類や量を推定した。20151024 1315分 読売

2連星発見

この後どうなる? 表面の一部がくっついた2連星発見
*表面の一部が融合する2連星の想像図=欧州南天天文台提供
 二つの恒星が近づき、表面の一部が融合している珍しい2連星を発見したと、欧州南天天文台(ESO)が発表した。このまま融合が進むと、超高速で回転する一つの特殊な巨大天体になるか、二つの連なったブラックホールができる可能性があるという。

 この2連星は、16万光年離れたタランチュラ星雲にある「VFTS352」。二つ合わせた質量が太陽の約60倍ある似た大きさの恒星が、地球の1日とほぼ同じ周期でお互いの周りを回っている。中心部の距離は約1200万キロしか離れておらず、巨大な天体としては極めて近い。実際に二つの天体が融合する姿を確認できたわけではないが、位置関係や表面温度などから、一部が融合しているとみられるという。ワシントン=小林哲201510241508分 朝日

2015年10月21日水曜日

9日間断食不眠! 延暦寺の荒行「堂入り」

9日間断食不眠! 延暦寺の荒行「堂入り」、釜堀住職が満行 戦後13人目
*「堂入り」を終え、明王堂を出る釜堀浩元さん=21日午前2時、大津市(代表撮影)
 比叡山延暦寺(大津市)の荒行「千日回峰行」のうち、比叡山中の明王堂にこもり9日間、断食、断水、不眠、不臥で不動真言10万回を唱える最大の難行「堂入り」に挑んでいた延暦寺善住院住職、釜堀浩元さん(41)が21日未明、無事満行し、出堂した。達成した行者は8年ぶり、戦後13人目。

 千日回峰行は比叡山中などで7年間かけて行われる修行で、1000日間で約4万キロ(地球1周分)を歩く。堂入りは700日目から始まり、不動明王と一体となることを目指す行。
 白装束姿の釜堀さんは午前0時15分ごろ、不動明王に供える最後の水くみを行ったあと、堂内で最後のお勤めを終え、断食後初めての薬湯を口にした。

 午前2時前に正面の扉が開かれ、両脇を僧侶に抱えられて出堂。衰弱した様子だったが、しっかりとした足取りで前を見据え、歩いた。約600人の信者が不動真言を唱えて釜堀さんを出迎えた。
 出堂を見守った岐阜市の主婦、堀総子さん(68)は「9日間も不眠不休だったのにしっかりされていた。満行できて良かった」と感動した様子で話していた。
 釜堀さんは平成23年3月から千日回峰行に入った。29年まで続く予定。2015.10.21 10:52 産経

2015年10月19日月曜日

氷の表面にクレーター多数

土星の月、画像公開…氷の表面にクレーター多数
*無人探査機カッシーニが撮影した土星の月「エンセラダス」の北極周辺の写真。多数のクレーターや裂け目が見える(NASAなど提供)
 【ワシントン=三井誠】米航空宇宙局(NASA)が、土星の月「エンセラダス」(直径約500キロ・メートル)の北極周辺の鮮明な画像を公開した。
 無人探査機カッシーニが14日、上空約6000キロ・メートルから撮影した。
 氷で覆われた表面に多数のクレーターがあり、細い裂け目が縦横に走っている。亀裂ができた原因は、土星の重力によるひずみなどが考えられるという。


 エンセラダスの地下には海が広がっており、生命が存在する可能性が指摘されている。カッシーニは今月28日にエンセラダスに約50キロ・メートルまで接近し、南極周辺から噴き出している海水を採取して分析する予定。カッシーニは1997年に打ち上げられ、2004年に土星の軌道に到着した。20151019 1234分 読売

2015年10月17日土曜日

冥王星表面に「驚くほど」多様な色彩

冥王星表面に「驚くほど」多様な色彩、NASA探査機が観測
【ワシントンAFP=時事】米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「ニュー・ホライズンズ」の観測データから、準惑星の冥王星の表面は豊かな色彩にあふれていることが分かった。NASA15日に発表したこの分析結果に、天文学者らは非常に驚いているという。
*(写真は「ニュー・ホライズンズ」に搭載されたカメラが撮影した色彩に富んだ冥王星の画像)
 今回初めて発表された、ニュー・ホライズンズの観測データの科学分析結果は、冥王星の赤道付近に暗赤色の部分があり、緯度が高くなるにつれて赤が薄くなり、青みがかってくることを明らかにした。
 天文学者らはこれまで、冥王星の色彩について、明確な認識を持っていなかった。
「これほどまでに壮観な冥王星表面の色彩と地質の多様性を目の当たりにして驚いた」と、米メリーランド大学の天文学研究員で、ニュー・ホライズンズ表面組成研究チームの一員であるシルビア・プロトパパ氏は話した。
 米科学誌サイエンスに掲載された冥王星の最新カラー画像は、ニュー・ホライズンズに搭載されている「マルチスペクトル撮像装置(MVIC)」で撮影されたものだ。
 NASAは「これまでに地球に送信されてきた観測データは、冥王星上に驚くほど多種多様な地形と地形年齢があること、さらには、表面の色彩、組成、アルベド(反射率)に多様性があることを示している」と述べている。
 また、地殻に水の氷が豊富にあること、冥王星の大気圏に地表面上方の多層大気が存在すること、冥王星が予想よりやや大きく、氷に富んでいることに関する証拠が、研究チームによって発見されたという。〔AFP=時事〕(2015/10/16-11:55

2015年10月16日金曜日

謎かけ

*謎かけ
麻生財務相「河野太郎とかけて釧路と解く。その心は湿原(失言)が多い」
菅官房長官「(河野)太郎ちゃんに失言が多いとの話だが、私は福岡(出身)の(麻生)太郎さんの失言を気にしている」

「知能の本当の証は知識ではなく、想像力なのです」 アインシュタイン

「人は、愚者を除けば知能の点であまり差がなく、熱意と勤勉さが違うだけだと私はつねづね主張してきた」 ダーウィン

「人間の脳には、大人になってもまだ[可塑性]があり、新しいタスクの学習で適応がしやすくなっているのです」エレナー・マグワイア

「ときどき、そうした側頭葉癲癇の患者が別次元の現実に、並行世界に通じるワームホールのようなものに、出入りできるのではないかと思うことがある」ラマチャンドラン

「人間は宇宙の言葉を学び取るまでは、宇宙を理解できない」 ガリレオ・ガリレイ

「それは数学という文字で書かれ、その真実は三角形、円形など幾何学的図形だ。それなしに宇宙をひと言でも理解することは、人間にはできない」 ガリレオ・ガリレイ

2015年10月15日木曜日

決め台詞

*決め台詞
大統領選;アメリカの大統領選挙はいよいよ本格始動の時期になったようです。
ちょっと古い話ですが、ディベートでの次のやり取りでレーガンが一挙に有利になったとか・・。
モンデール「大統領になるには歳をとり過ぎではないですか」
レーガン「自分は対立候補が若いからといって責めたりはしない」

*「いちゃりば ちょーでー」
沖縄方言:もともとは「いちゃりば(行き会えば)ちょーでー(兄弟)、ぬーふぃだてぃぬ(何の隔てが)あが(あるのか)」なのですが、前半の「いちゃりばちょーでー」が有名になって独立した。
もともとは、社会は助け合いで成り立っているのだから、出会った人とは兄弟のように仲良く付き合うようにしようという意味を持った諺。出会った人はみな兄弟。

*「結局のところ、人を動かすのは正義や理念ではなく、保身だということだ」
山岡鉄秀(AJCN代表)AustraliaJapan Community Network代表。ストラスフィールド市における中韓反日団体による慰安婦像設置推進運動に遭遇、地元の母親を率いてAJCNを結成。地域社会融和の大切さを訴えて市議会に設置可決を見送らせた。

*「日本という国は大将の出来は悪いが兵隊は優秀だ] 緒方四十郎


*「世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも、1万時間の練習が必要だ。どの調査を見てもいつもこの数字が表れる」 D.レヴィチン

新治療「ふん便移植」

ふん便が薬に、新治療「ふん便移植」が脚光 9割で症状改善
新治療「ふん便移植」の現場に密着
米マサチューセッツ州メドフォード(CNN) 米マサチューセッツ州ボストン近郊の研究室で、健康な人のふん便を腸炎の治療に役立てる方法が開発され、注目を集めている。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究助手、エリックさん(24)は昼時、便意をもよおした。仕事を中断すると電車とバスを乗り継ぎ、MITから30分ほどの地点にあるトイレに到着。見た目は普通の公衆トイレと変わらない、何の変哲もないトイレだ。違いはただ1つ。ここでのトイレ休憩は、命を救うのである。
エリックさんは収集用のバケツを便器の内側にかけ、用を足した。事が終わると容器にふたをして袋に入れ、隣接する「オープン・バイオーム」に向かう。オープン・バイオームはボストン北西部にある研究室で、特別に健康な人の便を治療薬に転換する方法を開発している。
研究室の技術員はエリックさんの「サンプル」の重さを計測。エリックさんは2カ月半で29回訪問し、約4.8キロの便を排出した。これにより、クロストリジウム・ディフィシルによる大腸炎に苦しむ患者に向け、133本の治療液を生成することができる。この病気には年間50万人の米国人が罹患(りかん)し、1万5000人が死亡している。
エリックさんは便を提供に向けて、109点に及ぶ臨床評価項目を通過。肥満だったり、違法薬物や抗生物質の使用などがあったりすると、ドナーの資格を得ることはできない。
*エリックさんの便に価値があるのは、その腸内細菌のおかげだ

新治療「ふん便移植」の現場に密着
血液と便に関しても、感染症にかかっていないことを確認するため、さまざまな検査をパスしなければならなかった。
こうした選抜を経た後に残るのは、ドナー候補のうちわずか3%。エリックさんは自身の便の状態について何も知らなかったが、「ほとんど完璧に近いことが判明した」と話す。
選ばれた便は買い取られる。オープン・バイオームは22人のドナーに対し、1サンプルにつき40ドル(約4800円)を支払っている。ドナーは毎日にでも便を提供することを求められており、エリックさんはこれまで約1000ドル(約12万円)を稼いだ。
オープン・バイオームの研究責任者、マーク・スミス氏は「ドナーを見つけるのは、かなりの時間と労力がかかる」と指摘。ドナーを見つけた場合、なるべく頻繁に便を提供してもらい、その時間に見合うだけの謝礼を払いたい考えだという。
エリックさんの便にこれほどの値段が付くのは、腸内細菌が理由だ。
人間の腸内には善玉菌と悪玉菌を合わせて100兆超個の腸内細菌が生息。患者が感染症対策として抗生物質を摂取すると、善玉菌が殺される一方で、クロストリジウム・ディフィシルを含む悪玉菌は増殖してしまう場合がある。
そこでエリックさんの腸から得られるような健康な細菌を患者の腸内に注入すると、有害なクロストリジウム・ディフィシル菌を追い払うことができる。「ふん便移植」と呼ばれる治療法で、内視鏡を使い下半身から注入することも、チューブを通じて鼻から投与することも可能だ。
オープン・バイオームのドナーは約5000本の治療液を生み出し、驚くことに90%の患者の容体が快方に向かったという。
スミス氏は「患者にとって本当に大きな転機となるだろう。1日に20回トイレに行っていたのが、移植の直後から翌日には、腸の動きが正常になるのだから」と述べる。購入費は385ドル(約4万7000円)。米国内47州の350以上の病院に治療液を提供している。
研究室では技術員のクリスティーナ・キムさんが、便を治療液に転換する方法を実演してくれた。
まずは便の粘度を点検。傍らには英ブリストルの病院で開発された、便の状態を7段階に分けるチャートがある。チャートで「ナッツ状」「ゴツゴツしている」とされる1~2段階の便は乾燥しすぎており、処理できない。一方、「かゆ状」「水便」とされる6~7段階の便の場合も、ドナーの胃腸が感染症にかかっている恐れがあり使用できない。

*ドナーのエリックさんが自分の便から生み出された「治療液」とご対面
新治療「ふん便移植」の現場に密着
完璧なのは「ソーセージのようだが表面にひび割れがある」3段階の便、「ソーセージや蛇のように軟らかくなめらか」な4段階の便、「はっきりとしたシワがあり軟らかで半分固形(排便が容易)」の5段階の便だ。
食事の影響か、この日のエリックさんの便は5段階。ぎりぎり許容範囲の軟らかさだ。キムさんは便を透明なプラスチック袋に入れ、生理食塩水を追加。「ジャンボミックス」と呼ばれる機器の中で2分間、袋をかき混ぜると、便内の繊維が除去され、善玉菌で満ちた液体が残った。
キムさんはピペットを使い、この液体を250ミリのペットボトルに移し替えた。平均的には1回に提供する便でペットボトル4本分になるのだが、この日は7本に。ペットボトル1本が治療液1本の量に相当する。エリックさんの便から作られた治療液133本は、2度目の健康診断を通過するまで、巨大な冷凍庫の中に隔離保存されている。
便の提供を希望する人はボストン近郊に在住している必要がある。既に6000人が登録済みで、順番待ちの状態だ。オープン・バイオームは通常、1週間に約50人と面談を行っている。スミス氏によれば、「ドナーに登録されるよりも、MITやハーバード大学に入学する方が簡単だ」という。2015.10.12 Mon posted at 17:33 JST 

(参考:関連本ブログも参照ください。いずれも本年2015です。710,  5.17,  4.1,  6.14,  3.8,  1.16,  5.12

ブラックヒルズ国有林

ブラックヒルズ国有林(米国・サウスダコタ州)

夏の川遊び(フィリピン)

ベトナムの棚田

インドの寺院にて

自然のカーテン

ヒマワリの迷路(オランダ・アムステルダム)


ナショジオから

1.2億年前の哺乳類化石

1.2億年前の哺乳類化石=体の微細構造残る-スペイン
*スペインで発見された約1億2500万年前の化石に基づく新種哺乳類の想像図。湿地で昆虫を食べていたと考えられる(米シカゴ大提供)
 スペインの約1億2500万年前(白亜紀初期)の地層から小柄な哺乳類の化石が見つかり、新属新種に分類したと、ドイツ・ボン大や米シカゴ大などの国際研究チームが15日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 体を覆う毛や肺、肝臓などがよく残っており、体の微細構造が分かる哺乳類の化石としては最古。哺乳類が繁栄し始めるのは約6500万年前に恐竜が絶滅してからだが、はるか昔に体の基本的な特徴が確立されていたと考えられるという。

 この化石の学名は「スピノレステス・ゼナルトロスス」と名付けられ、体の長さは約24センチ。体重50~70グラムと推定され、草が茂る湿地で昆虫を食べていたと考えられる。(2015/10/15-06:56)時事

8万年以上前、ホモ・サピエンス

8万年以上前、中国南部に?=ホモ・サピエンス、歯の化石発見
*中国湖南省の洞窟内部(写真右)と8万年以上前と推定されるホモ・サピエンスの歯の化石(中国科学院提供)
 中国南部・湖南省の洞窟から12万~8万年前と推定される現生人類(ホモ・サピエンス)の歯の化石を多数発見したと、中国科学院古脊椎動物古人類研究所や英ロンドン大などの国際研究チームが14日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 ホモ・サピエンスは約20万年前にアフリカ東部に出現し、約10万年前ごろから中東などに進出し始めたと考えられている。従来の推定より早く中国南部まで進出していた可能性が高いという。

 研究チームによると、欧州やアジアではこれまで、ホモ・サピエンスと確実に分かる化石が約4万5000年前までしか見つかっていない。ユーラシア大陸の寒冷な北部へ向かうより、温暖な南部を東へ進む方が容易だったと考えられるほか、寒冷な北部では既にネアンデルタール人が繁栄しており、北上を妨げられた可能性もある。(2015/10/15-06:55)時事

2015年10月14日水曜日

検非違使イメージ

検非違使イメージ、和装警官…時代祭でお披露目
*和装制服を披露する京都府警の平安騎馬隊(14日午前、京都市左京区で)=吉野拓也撮影
 京都府警平安騎馬隊が、平安時代に治安を担当した官職・検非違使けびいしをイメージして西陣織の和装の制服を導入し、京都市で22日にある「時代祭」でお披露目することになった。

 警察騎馬隊は京都府警と警視庁、皇宮警察にしかなく、府警によると、和装の制服は初めてという。
 制服は萌黄もえぎ色の男性用と藤紫色の女性用の2種類。これまでは警察の制服だったが、京都府が約240万円かけて制作した。

 14日には京都市左京区の同隊庁舎で本番を前にした訓練があり、和装の制服で参加した同隊の南口佑美巡査長(33)は「見物客の安全とともに祭りの情緒も守りたい」。20151014 1444分 読売

2015年10月13日火曜日

火星に氷の家建つかも

火星に氷の家建つかも コンペで日本人建築家が最優秀賞
* 米航空宇宙局(NASA)が、2030年代に火星に建設する宇宙飛行士用の居住施設の設計コンペで、ニューヨーク在住の日本人建築家、曽野正之さん(45)たちの作品が最優秀賞に選ばれた。火星に大量にある氷で巻き貝のような壁を作り、放射線や外気から人体を守る。実際に建設されるには技術審査などに合格する必要があるが、夢が広がりそうだ。

 コンペは、宇宙開発の革新的な技術やアイデアを一般から募る試みの一つ。NASAが35年ごろに計画する有人火星探査で、宇宙飛行士4人が1年間、火星に滞在すると想定し、安全で快適に暮らせる施設(約93平方メートル)を募集した。火星にある材料で宇宙飛行士の到着前にできていることが条件で、3Dプリンターとロボットによる遠隔操作で無人で建てられることなどが評価された。

 *曽野さんたちは、火星の極地に大量にある氷に注目。ロボットが地下から削り取った氷を溶かして3Dプリンターに流し込み、壁などを作ることにした。居住空間は、厚さ5センチの氷壁をドーム状に二重に覆った。内部は4階建てで、キッチンやトイレ、寝室などが備わっている。氷壁を採用したことで、昼は外光が差しこみ、夜は砂漠の一角に明かりがともったように見えるという。「人類が火星に到達した記念碑となる文化的で美しい施設を提案したかった」と話す。ワシントン=小林哲201510130502分 朝日

2015年10月12日月曜日

ゾウにがんが少ない理由を解明

ゾウにがんが少ない理由を解明、米研究
【マイアミAFP=時事】ゾウは、その大きい体にもかかわらず、がんになることはほとんどない──。この「謎」をめぐる研究結果が8日、発表され、ゾウが持つ、がんに対する防御機能の秘密が明らかにされた。ヒントは遺伝子の中に隠されていたという。
 米国医師会雑誌に掲載された研究論文によると、ゾウには、腫瘍の形成を抑制するタンパク質「p53」をコードする遺伝子の一部が変化したコピーが38あるが、人間は、この種のコピーを2つしか持っていないという。
 これは、ゾウの体が進化の過程で、腫瘍の形成を阻止する遺伝子の追加のコピーを多数作成してきたことを意味する。
 ゾウは人間よりはるかに多くの細胞を持っているため、50~70年間の一生のうちにがんになるリスクは、人間より高いと通常は考えられる。だが実際はそうではないのは長い間、謎とされてきた。

 ゾウの死因の膨大なデータベースを分析した結果、がんで死ぬゾウは全体の5%に満たないことが分かった。これに対し人間では、がんは死因の11~25%となっている。
 論文の共同主執筆者で、米ユタ大学医学部ハンツマンがん研究所の小児腫瘍医、ジョシュア・シフマン氏は「論理的に推論すると、ゾウは途方もない数のがんを発症するはずで、実際には、高いがんリスクにより今頃はもう絶滅しているはずだ」とした上で、「より多くのp53を作ることが、この動物種を今も生存させている自然の方法だと考えている」と続けた。
 さらに、がん化する危険性がある損傷した細胞を殺傷するための、より攻撃的な体内メカニズムが、ゾウには生まれつき備わっていると研究チームは指摘。このことについて論文では「隔離したゾウの細胞では、この活性が、健康な人間の細胞の倍になっている」と記されている。
 論文の共同執筆者には、米アリゾナ州立大学や米人気サーカス団が運営するリングリング・ブラザーズ・ゾウ保護センターの専門家らも名を連ねている。
 研究チームは、今回の成果が人間の抗がん治療法の新たな開発につながることを期待している。〔AFP=時事〕(2015/10/09-15:49

2015年10月11日日曜日

タンチョウ、紅葉に舞う

タンチョウ、紅葉に舞う…釧路湿原から餌求め飛来
*北海道鶴居村に飛来しはじめたタンチョウ。紅葉が深まる野山をバックに、優雅に舞う姿を見せた=11日
 秋深まる北海道東部。鶴居村の人里に、釧路湿原から国の特別天然記念物タンチョウが畑の餌を求めて飛来し、紅葉が彩る景色の中で優雅に舞った。その数、約50羽。11月からは給餌場で餌やりが始まり、さらに人里に集まってくるという。

 11日は曇り空の下、道道脇の畑にタンチョウが集まっていた。時折「カカカーッ」と甲高い鳴き声が周辺に響き渡った。

 春から夏の間は釧路湿原で繁殖、子育てをしているが、冬になる前には餌が少なくなる。今の時期、畑に落ちている飼料用トウモロコシ(デントコーン)の粒、昆虫はタンチョウのごちそうだ。2015.10.11 15:30 産経

2015年10月10日土曜日

画期的な蓄電池を開発

画期的な蓄電池を開発、住宅用にも 米ハーバード大
*米ハーバード大学の研究チームがこのたび無害、非腐食性、不燃性の新しい素材を使った、安全安価で高性能なフロー電池の開発に成功した。

 未来の電池を開発しようと世界中の研究者がしのぎを削るなか、今回開発されたのはフロー電池と呼ばれるタイプのものだ。安価で無害、非腐食性かつ不燃性の材料でできており、しかも高性能であるという。
 「誰でも使えるようになるという意味で、畜電池は大きく前進しました」。ハーバード大学の工学教授で、論文の共同執筆者であるマイケル・アジズ氏はこう説明する。腐食の心配がない安全な電池であれば、事業用にも家庭用にも適している。「自宅の地下室にも安心して置いておける化学物質が使われています」
 気候変動問題が深刻化し、太陽光や風力などのクリーンな再生可能エネルギーへの期待が高まるにつれ、5年ほど前から電力貯蔵技術の研究がさかんになってきた。理由は簡単だ。太陽光発電や風力発電は出力の変動が大きく、太陽が出ていないときや風が吹いていないときに備えて電力を貯蔵する必要がある。

 蓄電池のなかでもよく知られているのはリチウムイオン電池だ。今から20年以上前に主に個人用電子機器向けに実用化されたものだが、特に大出力のものは高価で、発火の危険性がある。実際、電気自動車で発火事故が数件起きているほか、大量のリチウムイオン電池を輸送する貨物機で火災が発生したこともある。
 研究者たちは現在、リチウムイオン電池の改良に取り組むほか、まったく別の方式も模索している。今回のハーバード大学の研究チームのように米国エネルギー省から資金を得て、新しい材料の組み合わせや、ナノサイズの電極の開発に取り組む研究者もいる。

 アジズ氏のチームはフロー電池に注目した。フロー電池は、電気が発生する電池セルとは別のところにあるタンクの液体にエネルギーを貯蔵するため、タンクを大きくすればより多くのエネルギーを貯蔵できる。問題は、フロー電池のほとんどがバナジウムなどの高価で腐食する金属を使っていることだった。

■すでに複数の企業がアプローチ
 ハーバード大学の科学者たちは2014年、バナジウムの代わりにキノンという有機分子を使ったフロー電池を試作した。この試作品はうまく機能し、欧州の企業に製造を許諾したが、材料に有害で揮発性のある臭素が含まれていた。研究チームは今回、臭素をフェロシアニドという無害な非腐食性イオンに置き換えることに成功した。
 「フェロシアニドは青酸と同じシアン化物なので、毒性があると思われるかもれませんが、そうではありません」と、ハーバード大学のポスドク時にこの新しい素材を考えつき、現在は米コロラド大学ボールダー校に所属するマイケル・マーシャク氏は説明する。「青酸は体内の鉄イオンと非常に強く結びついて呼吸を阻害し、致死的な作用を及ぼします。これに対して、フェロシアニドは最初から鉄と結びついているので安全なのです」。フェロシアニドは食品添加物や肥料にも広く用いられているという。

 米アルゴンヌ国立研究所エネルギー貯蔵共同研究センターのジョージ・クラブツリー所長は、「この研究は、有機分子を電池に活用する新しい分野を開拓するものです」と言う。彼はこの新分野を「画期的で有望」と評価し、さらに多くの成果を生むだろうと予想する。

 今回の研究には関与していないが、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学の工学教授で蓄電池の専門家であるロバート・サヴィネル氏は、「大容量化が容易で危険性がなく、製造コストも抑えられるでしょう」と、この電池の優れた性能を認めている。サヴィネル氏は、10年以内に商品化も可能だろうと期待を寄せるが、まださらなる検証も必要だと述べている。

 アジズ氏自身も検証の必要性を認めている。研究チームは短時間の実験結果で寿命を推定しただけなので、「何千回、何万回の充放電サイクルを経ても劣化しないことを証明する必要があります」と言う。彼は1年以内にこのテストを始めるつもりだが、ハーバード大学はそれ以前に製造を許諾する可能性がある。
 アジズ氏は、すでに複数の企業からアプローチを受けていることを打ち明け、「そう遠くない時期に商品化が実現するかもしれません」と言う。具体的な時期は、製造を許諾される企業が新興企業か大きな電池メーカーかで変わるだろう。

 ほかにも、起業家イーロン・マスク氏のテスラ・ギガファクトリー(米国ネバダ州)などが、自動車用、家庭用、事業用に畜電池の大量生産をめざしている。太陽光や風力による発電能力が上がるにつれ、エネルギー貯蔵分野の競争がもっとさかんになることをアジズ氏は期待している。

 しかし今後の電力貯蔵用電池の市場の巨大さを考えると、「最も安価な電池でさえ、需要をすべて満たすにはおそらく相当な時間がかかるでしょう」2015/10/10 3:30 日経

2015年10月9日金曜日

謎の人類ホモ・ナレディ

謎の人類ホモ・ナレディ、手足は極めて異例だった
直立二足歩行、樹上生活、手で道具を扱うという3つの特徴を兼備
*ホモ・ナレディの曲がった指(左)は、類人猿のような木登りの巧みさを示唆する。一方、長い親指は道具を器用に使えたことを示す。足(右)は現生人類に非常によく似ており、効率よく直立二足歩行できたことが分かる。

 謎多き人類の祖先「ホモ・ナレディ」の手足の特徴を分析した結果が、106日付の科学誌「Nature Communications」に掲載された。
 南アフリカのライジング・スター洞窟で発見された化石人骨を基に、2つの研究チームが運動の様子を再現。いずれもナショナル ジオグラフィック協会の助成を受け、一方のチームは足の骨107個を、他方はほぼ完全な右手の骨26個をそれぞれ詳しく調べた。

 その結果、ホモ・ナレディの足は多くの点で驚くほど現生人類に似ていることが明らかになった。足首の関節、他の4本と平行になった親指、幅の広いかかとは、2本の脚で直立して効率よく歩く生活に十分に適応した生物のものだった。一方、土踏まずがそれほど発達しておらず、足指の骨が曲がっている点は類人猿に近い。
 曲がっている手の指は、ホモ・ナレディが軽々と木に登れたことを示す。同時に、長く力強い親指と衝撃を吸収できる手首で、道具を使いこなすこともできたとみられる(ホモ・ナレディの道具はまだ見つかっていないが)。
 このように対照的な特徴が混ざっている状態を、現生人類を含むヒト属(ホモ属)において科学者がはっきり目にするのは初めてのことだ。特に、ホモ・ナレディの樹上生活を強く示唆する点は異例である。

 ホモ・ナレディの足に関する論文の著者、米ニューヨーク市立大学リーマン校のウィリアム・ハーコート・スミス氏は、「彼らは、ヒト属の一員としては独特な運動の形態を有していました」と語る。「直立二足歩行」「木登り」「手で道具を扱う」という3種目で競う先史時代のトライアスロンがあったなら、彼らはきっと活躍できるだろう。

樹上生活はいつまで続いたのか
 人類は進化の過程で、いつ木から下り、大地を歩き始めたのだろうか。
 その判断はまだ難しい。アウストラロピテクス属として知られるルーシーなど、ごく初期の人類の祖先たちは、少なくとも400万年前には直立二足歩行をしていた。だが、樹上生活もまだ続けており、同時に石器も使っていた可能性がある。

 とはいえ、ヒト属の系統から見つかっている樹上生活の証拠は少ない。科学者たちは、「器用な人」を意味するホモ・ハビリスは約200万年前の時点でも木登りの能力を保っていた可能性があると推測しているが、根拠はわずかな化石の断片しかない。そんな中、ホモ・ナレディの手が物語るのは、彼らが驚くほど現代的な足で二足歩行をしながら、類人猿のように巧みに木に登る能力も保っていたということだ。
「人類の進化の大部分で、我々の祖先たちは歩行と樹上生活の能力を並行して活用しており、それが変化にうまく対応できた一因です」と語るのは、米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のビル・ジャンガーズ氏だ。「ホモ・ナレディも例外ではありません」

年代にかかわらず異例
 ライジング・スター洞窟の人骨の年代測定はまだ行われていないため、ホモ・ナレディが人類進化の系統樹のどこに入るかは明らかではない。形態だけに基づくなら、初期のヒト属に近いように見える。ホモ・ナレディの手に関する論文の著者、英ケント大学のトレーシー・キビル氏は、「それが正しければホモ・ナレディの年代はおよそ200250万年前となり、道具の使用を容易にした手の特徴はこれまで科学者たちが考えていたよりも早く現れたことを意味します」と話す。

 一方、ホモ・ナレディが10万年前のような比較的新しい年代と判明すれば、現生人類と同時代に生きていたヒト科の種が、曲がった指などの原始的な特徴を保っていた(あるいは、独自に発達させていた)ことになる。キベル氏は「どちらのシナリオも非常に興味深い」と話している。2015.10.09 ナショジオ

冥王星の空も青かった

冥王星の空も青かった…米無人探査機が撮影
*米無人探査機が撮影した、冥王星の大気が青く輝く様子(異なる波長で撮影した複数の画像を合成。NASAなど提供)
 【ワシントン=三井誠】米航空宇宙局(NASA)は8日、無人探査機「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星の青く輝く大気の画像を公表した。

 研究責任者のアラン・スターン博士は「(冥王星で)誰が青い空を予測しただろうか。華麗だ」とコメントした。
 地球の空が、大気中の分子による光の散乱で青く見えるのと同様の仕組みで、冥王星の大気中のもやが、青い光を散乱させているとみられる。もやの主な成分は、大気上層の窒素やメタンなどが太陽からの紫外線を浴びることで出来る高分子とみられている。


 国立天文台天文情報センターでは「地球の昼と比べればずっと暗いだろうが、冥王星の地上から見ても空はぼんやりと青いのではないか」と話している。20151009 1218分 読売

2015年10月7日水曜日

2015 Nobel Prize in Chemistry

2015 Nobel Prize in Chemistry


The Nobel Prize in Chemistry 2015 was awarded jointly to Tomas Lindahl, Paul Modrich and Aziz Sancar "for mechanistic studies of DNA repair".

スケールが違いすぎ

宝くじで374億円当選、米ミシガン州で史上2番目
*宝くじで約374億円の当選金が出た
ニューヨーク(CNNMoney) 米高額賞金宝くじ「パワーボール」で、ミシガン州の女性が同州史上2番目となる3億1050万ドル(約374億円)の賞金を獲得した。
6日に名乗り出た当選者のジュリー・リーチさん(50)は、一括払いを選択して1億9740万ドルを現金で受け取った。
リーチさんは、長年のパートナーと婚前契約を交わそうと思うと冗談を口にしながらも、賞金は自分の子どもたちや家族のために使う予定だと打ち明けた。「もし宝くじが当たったら、広大な土地を買って子どもたち全員のための家を建てようといつも話していた」という。
繊維ガラス工場に勤めるリーチさんは、通勤途中に宝くじを購入。「その日は夜勤で午後6時半ごろコーヒーを買いに立ち寄り、20ドル分の宝くじを買った」と振り返る。

当選番号はマクドナルドで昼食を取りながらチェックした。「職場に戻って同僚に確認してもらったけれど、それでもまだ信じられなかった」。ようやく当選を確認した時点で、即座に仕事は辞めたという。2015.10.07 Wed posted at 12:41 JST

2015年10月6日火曜日

ノーベル物理学賞に梶田隆章氏

ノーベル物理学賞に梶田隆章氏 素粒子ニュートリノ研究 
スウェーデン王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル物理学賞を、東京大宇宙線研究所長の梶田隆章教授(56)ら2氏に贈ると発表した。梶田氏は岐阜県にある装置スーパーカミオカンデで素粒子ニュートリノを観測し、「ニュートリノ振動」という現象を初めて確認。質量(重さ)がないとされていたニュートリノに質量があることを証明した。宇宙の成り立ちを説明する物理学の「標準理論」に修正を迫った。

 ニュートリノ研究で日本人がノーベル賞を受けるのは、2002年に受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授に続いて2回目。
 ニュートリノはほかの物質とほとんど反応せず、地球をも通り抜ける。三つの型があるが、標準理論ではいずれも質量がないとみなされており、もし質量があれば、長距離を飛ぶ間に違う型に変身する「振動」という現象が起こるはずだと理論的に予想されていた。

 梶田さんは、岐阜県・神岡鉱山の地下にあるスーパーカミオカンデで、宇宙線が地球の大気にぶつかって発生する大気ニュートリノを観測。地球の裏側でできて地球を貫通してきたミュー型の大気ニュートリノの数が、神岡上空でできたものの半分であることを突き止め、1998年に発表した。
 大気ニュートリノはどこでもまんべんなく発生するので、「振動」がなければ同じ数だけ観測されるはず。このデータは、地球の裏側から来る間にミュー型から他の型へ変身している決定的な証拠になり、ニュートリノに質量があることが確実になった。その後、「振動」を世界中で精密に調べる実験が行われ、素粒子物理学の大きな流れをつくった。20151061908分 朝日

私学初の快挙

ノーベル賞:医学生理学賞に大村さん 私学初の快挙 研究費、企業から工面
*文部科学省からの科学研究費補助金の内訳
 大村智・北里大特別栄誉教授の業績は、日本の自然科学3賞の受賞者では初となる私立大での研究成果だ。国の代表的な研究費である文部科学省の科学研究費補助金(科研費)の約7割は旧帝大を中心とする国公立大の研究者に配分され、私立大の研究者への支援は潤沢とは言えない。大村氏は企業と共同研究を積極的に進めることで大きな成果を生み出した。【藤野基文、清水健二、須田桃子】

 過去の受賞者の中には、名城大の赤崎勇終身教授(2014年物理学賞)ら私立大の受賞者もいるが、受賞対象はかつて所属した国立大などでの実績。大村氏のように、私立大当時の研究成果で受賞するのは初めてとなる。
 科研費は研究者が個人として応募し、提案した研究内容による選考を経て採択される競争的研究費。文科省によると、15年度に新規採択された科研費の主要種目636億円のうち64・2%に当たる408億円が国立大所属、34億円(5・3%)が公立大所属の研究者に配分され、私立大の研究者は17・8%の113億円にとどまる。国立優位の構図は毎年変わらず、継続分も合わせた総額では、上位20機関のうち18機関を国立大と国立研究開発法人が占める。

 研究費問題に詳しい竹内淳・早稲田大教授(半導体物理学)は「日本の公的研究費の配分は実績偏重のため、研究費の潤沢な国公立大の研究者が業績を上げて次の研究費を得る一方で、研究費の乏しい私立大の研究者はますます審査に通りにくくなるという悪循環に陥っている。理工系の学生は私立の方が多く、配分の偏りは人材育成という観点でも問題だ」と指摘する。

 大村氏が、ノーベル賞受賞のきっかけとなった抗生物質「エバーメクチン」の発見を報告したのは、北里大教授だった1979年。エバーメクチンを作り出す放線菌のゲノム(全遺伝情報)解析には約10億円かかったが、国からの補助は約4億円で、残りは企業と組んで工面したという。
 当時は大学の研究者と企業との共同研究はそれほど盛んではなかったが、大村氏は毎日新聞の取材に「企業と組むからこそ世の中で必要とされていることが分かり、世界の情報が入る」と強調する。

 竹内教授は「企業との共同研究で大きな成果を出されたのは素晴らしいことだが、企業との結びつきが少ない研究分野も多い。私立大の研究者への配分が増え、埋もれた優秀な研究者にもチャンスが増えることを願っている」と話す。

 ◇北里大学

 日本の「細菌学の父」として知られる北里柴三郎博士(1853〜1931年)が1914(大正3)年に創設した北里研究所が、創立50周年記念事業として62年に設置した私立大。東京都港区白金に本部を置き、薬学部や獣医学部などの学部と大学院、付属病院などがある。学生数は大学院を含め約8500人。「バナナの皮が滑りやすい」ことを実証した馬渕清資・医療衛生学部教授は2014年、ノーベル賞のパロディー版「イグ・ノーベル」物理学賞を受賞した。毎日新聞 20151006日 東京夕刊