2016年10月26日水曜日

人間と植物の細胞融合

人間と植物の細胞融合、世界で初めて成功 「進化の謎を解く手がかりに」
人間と植物の部分的な細胞融合に世界で初めて成功したと、大阪大学が1024日に発表した。植物の染色体が、ヒト細胞環境下で維持されることを解明した。アメリカの科学誌「ACS Synthetic Biology」のオンライン版にも掲載されている。
■「進化の謎を解く一つの手掛かりになる」


*ヒトと植物の融合細胞(大阪大学の発表より)

1976年以降、人間と植物双方の染色体を持つ融合細胞を作製する実験が行われたが、実際に増殖可能な融合細胞の作製に成功した報告は皆無だった。
しかし、大阪大学大学院の和田直樹特任助教らの研究グループは、シロイヌナズナという植物の細胞とヒト細胞を融合を試みた結果、部分的にではあるが、世界で初めて人間と植物の融合細胞の獲得に成功したという。
研究グループによると、ヒト染色体を維持する仕組みが植物染色体にも働くことが判明。共通祖先から分岐して約16億年を経ても、人間と植物の間で遺伝子発現の仕組みが保存されていたという。

植物と動物は、お互いの機能がどの程度保存されているか不明だった。大阪大学によると、動物と植物の両者で保存されている機能は、生物にとって極めて重要かつ根本的なものであることが予想され、「進化の謎を解く一つの手掛かりになる」と期待を込めている。20161026 1315 JST The Huffington Post 安藤健二  
(注:林 紘司氏の情報から)

2016年10月22日土曜日

北斎の肉筆画と判明

北斎の肉筆画と判明 「作者不明」水彩画風の6枚 [長崎県]
*葛飾北斎が洋画の技法を取り入れて江戸の日本橋を描いた肉筆画(ライデン国立民族学博物館所蔵)
 オランダのライデン国立民族学博物館所蔵で、長く作者不明とされてきた6枚の絵が、江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849)の肉筆画であることが、同博物館の調査で分かった。西欧の水彩画の技法をまねた、北斎としては異色の絵。親交があったドイツ人医師シーボルトらから影響を受けた作品群とみられる。長崎市で開催中の国際学会「シーボルトコレクション会議」で22日に報告される。

 6枚は江戸の街並みを描いた風景画。タイトルはないが「日本橋」「両国橋」「品川」などを題材に川や人々、橋を描いている。空を大胆に取り入れた構図などに西洋画の特色が表れている。輪郭を黒く縁取りした後に色付けしていた当時の日本画と違い、縁取りがない点も西洋画の影響が見て取れる。

 江戸期の絵師たちの間には、外国人から絵を受注できるのは、長崎の出島出入り絵師として認められた川原慶賀(1786~1860)だけと認識され、ひそかに受注した場合は、落款を押さず「作者不明」として描いていたという。
 6枚に落款はなく、これまで慶賀や助手らの作と考えられてきたが、調査した同博物館シニア研究員のマティ・フォラー氏は、シーボルト直筆の目録にある「北斎がわれわれ(欧州)のスタイルで描いたもの」などの記述から、6枚は北斎が描き、シーボルトの手に渡った絵であることを突き止めた。フォラー氏は「新たな技法を習得しようと努めた北斎が、シーボルトらとの交流で知った西洋風の描き方に挑んだ作品群だろう」と分析する。


 長崎のオランダ商館で働いていたシーボルトは1826年に江戸に上った際、北斎らと面会したことが分かっている。同博物館には、この6枚とは別に、北斎の肉筆画と認められた11枚が伝わっている。=2016/10/22付 西日本新聞朝刊=

2016年10月15日土曜日

認知症になる仕組みの一端解明

認知症になる仕組みの一端解明…京大チーム
 様々な細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)と、遺伝子を自在に改変できる技術「ゲノム編集」を利用し、認知症の一種が発症する仕組みの一端を解明したと、京都大iPS細胞研究所の井上治久教授(幹細胞医学)らのチームが発表した。予防薬の開発につながる可能性がある。論文が英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 この認知症は、「前頭側頭葉変性症」と呼ばれ、患者には「タウ」というたんぱく質の遺伝子に変異があると報告されているが、詳しいメカニズムは不明だった。
 チームは、患者2人から作製したiPS細胞を、脳の神経細胞に変化させて病態を再現。そのうち一つの細胞について、ゲノム編集でタウの遺伝子変異を修復し、病気の細胞と比べたところ、修復した細胞では異常なタウの蓄積が減った。
 異常なタウが蓄積すると、細胞内で神経活動に関わるカルシウム量を調節する機能が低下し、発症につながるとみられる。井上教授は「他の認知症でも共通の仕組みがあるかどうか調べたい」と話す。


前頭側頭葉変性症 脳の前頭葉や側頭葉が萎縮し、同じ行動を繰り返すなどの症状が出る。国内の推定患者数は約1万2000人。65歳以下の認知症では、記憶障害が起こるアルツハイマー病の次に多いとされる。 20161015日 読売

新種アンモナイトを発見

新種アンモナイトを発見 北海道、他地域から移入か
 
*北海道浦河町で見つかった新種のアンモナイト「ディディモセラス・ヒダケンゼ」の化石 
 北海道浦河町は14日、同町にある約7600万~約7400万年前の白亜紀後期の地層から、新種のアンモナイトの化石が見つかったと発表した。国内で多く見つかっている日本周辺固有の種ではなく、世界的に分布する種の近縁といい、他地域の種が次第に移入してきた様子を示す、重要な発見という。

 国立科学博物館の重田康成地学研究部グループ長(古生物学)らが2005年から調査。浦河町の地層で見つかった化石65点のうち15点を新種と認定した。合わせて、北米西岸やアフリカに分布する別の種のアンモナイトも、国内で初めて確認した。

 新種はばね状の貝殻が特徴で、最大のもので高さ約20センチ。近い種が、北米など世界的に分布している。浦河町のある日高地方にちなみ「ディディモセラス・ヒダケンゼ」と学名が付いた。2016.10.14 産経

2016年10月8日土曜日

父島で「グリーンフラッシュ」

父島で「グリーンフラッシュ」…観光客らが歓声
*8日午後5時11分、東京都小笠原村父島で
 小笠原諸島・父島の高台にある三日月山展望台で8日夕、太陽が沈む直前に緑色に輝く「グリーンフラッシュ」という珍しい現象が見られた。
 この日は澄みきった青空が広がり、夕焼けを見に多くの観光客らが展望台に詰めかけていた。水平線に太陽が沈む瞬間、緑の閃光せんこうが見え、高台は歓声に包まれた。

 水平線に沈んでいく太陽の光は、色により屈折率が違う。まず赤い光が届かなくなり、その後、青い光が大気で弱められると、中間の緑だけが一瞬残ることがある。国立天文台の家正則名誉教授は「珍しい現象で、見ることができるのはとても幸運だ」と話している。
 父島は、グリーンフラッシュが比較的観測しやすい場所として旅行ガイドなどで紹介されている。20161008 2047Yomiuri Shimbun

2016年10月4日火曜日

ノーベル医学生理学賞に大隅良典氏

ノーベル医学生理学賞に大隅良典氏 「オートファジー」のメカニズム解明
*ノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大の大隅良典栄誉教授
(CNN) スウェーデンのカロリンスカ医科大は3日、2016年のノーベル医学生理学賞を、東京工業大の大隅良典栄誉教授に贈ると発表した。
細胞組成の分解とリサイクルの基礎的なプロセスである「オートファジー」のメカニズムの発見と解明が評価された。
オートファジーの機能自体は1960年代ごろから研究者の間で知られていたものの、それがどのような仕組みで行われるのかはほとんど分かっていなかった。大隅氏は1990年代に酵母を使った実験でそのメカニズムを解明。オートファジーに不可欠な遺伝子も特定した。
オートファジーの機能障害はパーキンソン病や2型糖尿病、その他とりわけ高齢者がかかりやすい疾患の発症と関係があるとみられている。2016.10.03 Mon posted at 19:47 JST