“老人ホーム”めぐり
1.あるウィークデイの開館時間直後に、かねて予約していた書籍を受け取るため公立図書館を訪れた。足を踏み入れて予想を超えたかなりの混雑に先ずびっくりする、次には全体がどことなくモノトーンに包まれた雰囲気が感じられ、それに少し戸惑いを覚える。一瞬、養老院(1963年に老人福祉法の制定により「老人ホーム」と改称されたそうだ)に来たかと見まごうばかり、恐らく日本中どこでも同じような風景なのだろうか?
あらゆるジャンルの開架書架では50代らしい女性から、明らかに「自由人」風情の多くのベテランなんにょが熱心にお目当ての本を物色する姿がある。古のカード検索とは違い、パソコンによる検索システムが充実しているとはいえ、「目的地付近に到着しました」状態から、1冊を選び出す。しゃがむのが辛くなってきた者には、下段の書架をチェックするのが難儀だ。
さらには雑誌・新聞コーナー、新着書籍コーナーの賑わいも印象的だ。「大きな活字」本コーナーは、たまたまなのか意外とひと気はなかった。
もちろん幼児本コーナーでは母子連れがそれ相応の賑やかさで活躍している。チラホラ見かけた若者連中はことごとくマンガ本に夢中に見える。外国語図書・雑誌コーナー(英語、韓国語、中国語など)には、それぞれの言語を操る面々が見うけられる。
そんな光景を横目に、ネット予約の便利さを享受しつつも、今後の電子図書館化に期待しているのでした。
2.その後、お医者さんに赴く必要を思い出し、訪れた。ここはご多分に漏れず聞きしに勝る「養老院」状態だが、特に驚くに値しない。しばらく通っている強み?、お医者の見立てや「お言葉」は容易に察することができ、予想通りの結末に安堵というか、突っ込みたくもなるが、例えそうしてみたところで返答は過去の事例から予想の範囲。昔ながらの2時間待ち2分診療体制だったのが気分を憂鬱にさせた。
3.いったん帰宅し、一休み。頃合を見計らって散歩に出かける。味わい深い緑のアーケード、複数の公園に通じる遊歩道を辿る。どの時間帯に行っても、元気溌剌に見えるおばさん達をはじめ、仲良しベテランペア、ちょっとよれよれ気味の人たち、さらには多くのジョガー、颯爽たるウォーキングびと等を見うける。
敬老の日恒例、人口動態調査「上位25%」、申すまでもなく私もそのお仲間、に立派にランクされている。元気なセンパイたちを見ていると、自身は洟垂れ小僧の青二才を実感させられる。
かくして今日も1日が無事過ぎていきました。「ピンピンコロリ」を目指し、やはり自分にはまだまだ旅やグルメ探索など刺激の必要性を再確認したのでした。