謎の恐竜:背中に帆 モンゴルで全身化石、発見
半世紀近く「謎の恐竜」とされてきたデイノケイルスの新たな化石がモンゴルから見つかり、全体の姿(想像図)が明らかになった=Yuong-Nam Lee氏(KIGAM)提供
長い腕の化石しか見つからず「謎の恐竜」と呼ばれるデイノケイルス(「恐ろしい手」の意味)のほぼ全身の化石が、モンゴルの白亜紀後期(約7000万年前)の地層から見つかり、日本、モンゴル、韓国などの研究チームが23日付の英科学誌ネイチャーに発表した。分析の結果、体長11メートルと巨大で、背中に帆を持つなどユニークな姿だったことが明らかになった。
新たに見つかった化石は2体。2006年と09年にゴビ砂漠で発掘されたが、1体は頭部がモンゴルから違法に持ち出され、後日ドイツで見つかった。
2体を合わせると、骨格の全貌が分かり、成体は全長11メートル、体重6・4トンと推定された。細長い頭にはくちばし、背中に大きな帆を持っていた。腹付近から直径8〜87ミリの小石が1400個以上見つかり、腕を使って植物を食べて小石で消化を促していたほか、腹に魚のウロコや骨もあったことから、魚も捕獲していたとみられる。雑食と分かった恐竜は初めてという。
デイノケイルスは、1965年にモンゴルで肩から指先まで2・4メートルある腕の化石が見つかったが、その後は新たな発見はなく、謎に包まれてきた。チームの小林快次(よしつぐ)・北海道大准教授は「大型草食恐竜のように空洞の多い骨、肉食恐竜にみられる背中の帆、中型草食恐竜のような足と、さまざまな特徴を併せ持っている」と話す。【永山悦子】毎日新聞 2014年10月23日 東京朝刊
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