2015年10月5日月曜日

<平和と民主主義>数学者 森毅さん

もう一度読みたい:<平和と民主主義>数学者 森毅さん 「ええんちゃうの」の反骨心
 82歳で5年前に亡くなった京大名誉教授で数学者の森毅さん。自民党が郵政選挙で大勝した直後の取材に「戦後平和教育の失敗が世の中を戦争好きの人でいっぱいにした」「多様化の時代だからこそ、人は不安になって統一を求める」と憂えていた。
*=2007年8月、大橋光一撮影
<2005年11月11日 東京本社夕刊2面から>

 高瀬川を左手に見ながら、やってきたのは四条木屋町の裏路地、喫茶店「フランソア」。1934(昭和9)年の創業で、国の有形文化財にも登録されているという建物だ。中に入るとドーム形の天井にアーチ。ステンドグラスまである。

 数学者で京大名誉教授の森毅さん(77)は、ステンドグラスを背にビロード張りの小さなイスにひょいと座った。白髪にステンドグラス越しの柔らかい光が落ちると、そこだけ昭和モダンの色になる。「この店には三高時代によう来ましてなあ。夕方になると起き出して、学生仲間とぶらぶら歩いて。一番安いカルピスにストロー3本注文し、3人で1杯を回し飲みしつつ議論したもんよ」

 この日注文したのはコーヒーと洋なしのタルト。小さなテーブルで肩を丸め、ケーキをつつきながら、まずは若者談議となった。森さんは34年間、京大生と付き合ってきた若者ウオッチャーでもある。退官から14年。喜寿を迎えた森さんの目に、今の若者はどう映るのか。

 「幼く見えませんか」と尋ねたら、早速、人をけむに巻く語り口で「むしろ『おじさん化』が進んでるねえ」。「おじさん化」とは何ぞや。
 「やたら『みんなこうするもんや』とか『誰でもこうしてるんや』と物事を単純に断定したがる人のこと。世間のおじさんは一番忙しい年齢層やから、ああでもない、こうでもない、と考えをめぐらせるヒマもないのよ。こんなおじさんの言説を原資に、時代の常識は作られているわけ」

 そこで、ぷかりと一服。

 「そやけど若者は違う。若者が『おじさん』になったら時代は止まってしまう。若者の良さは時代に背を向け、行動すること。学生運動かてそう。若者の勢いで世の中って案外動くんよ。だから若者は時代からちょっとずれてるのがよろしい。ところが今の若い人は言うことなすこと、おじさんそのものや」

 かと言って若者に怒るわけでも世を憂うわけでもない。飄逸(ひょういつ)である。決めゼリフはいつも「ええんちゃうの」。

 例えば郵政民営化の是非を聞いても「ええんちゃうの」。「衆院選の『小泉圧勝』現象は?」と話を振っても「人は、はやってるものに固まるのよ。昔の京大もそうや。『今はヘルメットの季節や!』いうて学生が固まったやんか」と笑う。

 どうもこのインタビュー、森さんの手のひらで転がされている気がする。「この国はどこへ行こうとしているのか」とこちらがまなじりを決しても、のらりくらり、のれんに腕押し。

 「僕は、小泉さんのプロデューサーとしての才能を買ってるの。政治家も当たる興行を打たなあかん。今回の自民党圧勝は時代の節目のお祭り。どうってことないわ。小泉さんは祭りの音頭取りやから、僕らもそれにうまいこと付き合ったらええ」。これが森さんの小泉論。

 郵政民営化問題では、「何十年か後に、童謡の『やぎさん郵便』を歌いながら『昔は郵便局っていうのがあったんやなあ』と懐かしがったらええ。『村の渡しの船頭さん』や『村の鍛冶(かじ)屋』と同じよ。国鉄も民営化したら懐かしさが募って『鉄道員(ぽっぽや)』がはやった。郵便局も今後、興行的には受けるんとちゃう? 僕かて古いもんは好きやけど、好きやから残そう、というのは間違い。無理やもの。世の中は変わっていくもんなのよ」

 ◇「政府も学校もだますもんよ。だまさへん政府や学校なんか不可能よ」

 インタビューが始まってはや3時間。森さんは延々と、京大の学生運動から米国の戦後占領政策、17世紀のオランダ文化、フーリエの「情念」理論まで持ち出して持論を展開し続ける。それらが全部、専門の数学と分野が違うというのだからまさに博覧強記だ。


 それでいて、どうも森さんの本音にたどりつけていない気がする。肩すかしのユニークな言説こそが森さんの持ち味と知ってはいるけれど、何かもどかしい。最後はやぶれかぶれで「直球」を投げてみた。

 「でも『ええんちゃうの』で戦争を止められますか?」

 そしたら森さん、跳ねっ返りの学生を諭すかのように静かにこう話し始めた。

 「そりゃ、あんた、無理やでえ。そんな力あらへんもん。戦争はいややけど」

 それから、ほう、と一つため息をつき、言葉を継いだ。

 「戦後平和教育の失敗やろなあ。成功してたら、こんなに戦争好きの人で世の中いっぱいになるはずない。世の中が『闘争心を持つのはいいことや』と言い過ぎてないか? いつの世にも戦争が好きなやつと嫌いなやつはおる。仕方ないのよ。僕は嫌いやった。戦中でも闘争心はゼロ。軟弱非国少年なりに、その時代をいかに生きるかを僕は必死で考えたのよ」

 言葉が段々と熱を帯びる。喫茶店に流れるBGMは、ベートーベンの交響曲。バイオリンの音色が空気を緊張させる。

 「軍国主義を警戒するのも必要やけどな。もしも軍国主義になった場合、生き残るためにはどうしたらいいのかを考えるのも、大事とちゃうやろか。原体験があるのよ。戦争が終わった後、大人はアホやと僕は思ったよ。何が『国民をだまさない政府を作ろう』や。何が『子どもをだまさない学校を作ろう』や。アホ言うな。政府も学校もだますもんよ。だまさへん政府や学校なんか不可能よ。だますもんや、と思って、だまされへんように考えるほうが大事でしょ。国民はねえ、だまされへん用意をせなあかん」

 意外なほど「直球」の返事にドギマギする私に気付いたか、森さんはすぐに笑顔に戻り、軽くこう付け加えたのであった。「だまされん用意ってのは、まあ、振り込め詐欺に強い大阪のオバチャンみたいなもんよ。ほっほっほ」

 好々爺(こうこうや)然とした語り口も、ひょうひょうとした風貌(ふうぼう)も、絶妙なバランス感覚も、他人をけむに巻くユーモアも、意外と戦争体験の果てに生み出された生活の知恵なのかも、とふと思った。

 ◇「多様化の時代だからこそ、人は不安になって統一を求める」

 「戦争中はみんな愛国心に燃えてた、なんて、あれウソや。愛国少年と非国少年を分けたら世間でも6対4。三高の中は4対6で、非国少年が多数派やった。イデオロギーが違っても、お互いに議論できた。むしろ戦後のほうがきつかったよ。『みんな仲間。一致団結、がんばろー』みたいな仲間の強制力は戦後、逆に強まったんとちゃうのかな? 今はそれがもっと強くなってるね。戦争中よりも、今みたいに価値観が多様化する時代のほうが、『同じであれ』という強制力が強いのよ。なぜなら、多様化する社会の中で多様性を維持するのは実は大変だから。みんなが不安になるからね。多様化の時代だからこそ、人は不安になって統一を求める。安心したくなる」

 それから森さん、おもむろにこんな話を始めた。「大阪の下町には世話焼きバアサンがいて、両隣の家の前の路地まで掃除する。ありがたいけどうっとうしい。一方、東京ではきっかり自分の家の前の路地だけ。気楽だけど冷たい。京都人はどうするか。『ついはずみで』って感じで時々、思い出したように他人の家の前も掃除する。常に境目が揺らぐ。極端に走らない。『ほどほど』を知ってるのよ。僕がこの街で生きやすいのはそのせいかなあ」

 つまり「ええかげん」に見えて「良い加減」ということか。

 「大事なのは多様性。極端にどちらかに偏らないこと。生態系もそうよ。森で棲(す)むやつは、鳥は鳥、虫は虫のリズムで生きてる。だからお互い食い違うに決まってる。違いをなんとかやりくりして生きている。みんなが一緒になったらあかんのよ。人の心も。いろいろあったほうがいい」

 ふと気付けばいつの間にか時計は進み、バロック様式の店内は、昼の客から夜の客へと変わろうとしていた。あわてて店を出てしばらく歩けば、そこはもう四条の繁華街。京都は新旧を上手に取り混ぜた街なのだった。

 鴨川越しに夕焼けを見ながらの別れ際、森さんは教え子を案ずるかのように、最後にこう言った。「僕もおしゃべりやから、つい、ぎょうさんしゃべってしまったけどね、新聞記事には一つか二つ選んで、あとは適当でええんよ。無理して全部入れようとしたら大変よ。ほどほどでええのやからね」【小国綾子】

 ◇森毅さん略歴

 もり・つよし。1928年、東京生まれ、大阪育ち。旧制三高から東大理学部へ。京大を91年に定年退官。評論家・エッセイストとして数学から時事問題まで、幅広く発言している。

*=2005年11月11日 東京本社夕刊2面

…………………………………………………………………………………………………………………

 ◇その後の森さん…「味方が死んだから反戦ではなく、敵も死んだから反戦なのだ」

 2010年7月24日に敗血症性ショックのため亡くなった森さん。前年に自宅で料理中に大やけどし、以降は表舞台に立つことはなかったが、専門の数学にとどまらない博学ぶりと、ひょうひょうとした語り口は印象深い。

 森さんは京都大教授の時に、学生から「なぜ講義で出席を取らないのか?」と問われ、「分かった。では、出席している人は得なので、その分点数を引こう」と答えたことがあったという。その逸話をきっかけに親交を深めた京都外国語大の福井直秀教授(66)は「付き合いは長いが、一度もしかられたことはなかった。『もっと力を抜いて考えたら』と助言をもらうことが多かった」と振り返る。


 福井さんは森さんの随筆などをまとめた「一刀斎、最後の戯言」(平凡社、10年刊行)の編集に携わった。その著書には「味方が死んだから反戦ではなく、敵も死んだから反戦なのだ」との言葉が残る。死者はすべてのレッテルから解放されるという信念、反戦への思いは一貫していた。集団的自衛権、原発、沖縄など議論が分かれる多くのテーマを抱える現代。福井さんは「森さんのような人は絶対に必要だ。生きていたら、どう話すだろうか」としのぶ。【大村健一】20151002日 毎日

ノーベル医学生理学賞に大村智氏

ノーベル医学生理学賞に大村智氏 熱帯の感染症に特効薬
 スウェーデンのカロリンスカ医科大は5日、今年のノーベル医学生理学賞を大村智・北里大特別栄誉教授(80)らに贈ると発表した。業績は「寄生虫による感染症の治療法に関する発見」。大村さんは、熱帯地方で流行する感染症「オンコセルカ症」の特効薬を開発。多くの患者を失明から救った。

 日本のノーベル賞受賞は、昨年に青色発光ダイオードの発明で受賞した物理学賞の3氏に続き23人目となる。医学生理学賞は利根川進・マサチューセッツ工科大教授、山中伸弥・京都大教授に続いて3人目。授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金の800万スウェーデンクローナ(約1億1200万円)は受賞者3人で分ける。

 オンコセルカ症は線虫による感染症で、アフリカや南米などの主に熱帯地域で流行する。線虫を媒介するブユがヒトを刺すことで感染し、患者の2割が失明する恐れがあるとされる。
 大村さんは北里研究所室長だった1974年、静岡県内のゴルフ場の土壌を採取し、線虫を殺す効果がある菌を見つけた。これをエバーメクチンと名付け、製薬企業メルクとの共同で発表した。エバーメクチンの分子構造の一部を変えて効果を高め、抗寄生虫薬イベルメクチンの開発した。

 イベルメクチンは当初、ウシやブタなど動物の治療薬として販売したが、その後、ヒトのオンコセルカ症にも効果があり、失明を防げることが分かった。WHOはオンコセルカ症の排除計画を進めており、現在、世界で年間1億人以上に無償投与を続けている。20151051852分 朝日

エルタ・アレの溶岩湖

エルタ・アレの溶岩湖(エチオピア)

グランド・ティートンとスネーク川(米国・ワイオミング州)

旭山動物園のホッキョクグマ(北海道・旭川)

稲の刈り入れ(ベトナム)

漁の道具を持って移動する漁師たち(ベトナム)

水たまりに映るフォロ・ロマーノ(イタリア・ローマ)

昼食の準備(インド・コルカタ)

道端の風景(沖縄県)

霧に包まれる山(ロシア)

夜明けのトゥー・メディスン湖(米国・モンタナ州)


ナショジオから

ユダヤの教え・続

ユダヤの教え・続
一度に「海」をつくろうと思ってはならない。まず、「小川」からつくらねばならない。

本は知識を与え、人生は知恵を与える

敵には助言を求め、その助言の反対のことを行え

最善の努力を尽くしたら、後は神の意思にゆだねなさい。そして神の決めたことに納得しなさい

自分の力ではどうにもならないことは心配するな、神は超えられない試練を人には与えない

運命に逆らえば運命に支配され、運命に従がえば運命を支配できる

イチロー、大リーグで投手デビュー

イチロー、大リーグで投手デビュー「ありえない」
*フィリーズ戦の八回、メジャー初登板したマーリンズのイチロー=AFP時事
 大リーグのレギュラーシーズン最終日の4日、マーリンズのイチロー外野手(41)が、大リーグ15年目で初の投手デビューを果たした。


 敵地のフィリーズ戦の三回に右翼手として途中出場し、4点差の八回裏に4番手として、公式戦初めてのマウンドへ。先頭の7番打者に右翼線二塁打を許し、1死後、右越えの適時二塁打を浴びた。その後は二ゴロ、左飛に抑え、1イニングを投げて、被安打2、1失点。ベンチに戻ると、敵地のファンが立ち上がって拍手をおくった。優勝争いとは無縁の消化試合で、点差も4点あったため、イチロー自ら登板を志願したという。イチローは「二度とピッチャーの悪口は言わないって、誓いました。メジャーリーグのマウンドに立つなんて、通常ではありえない。その事実に対しては、思い出として残っているが、2回目はいらないです」と笑った。フィラデルフィア=村上尚史20151050953分 朝日

電波を電力に変換

電波を「収穫」し電力に変換、英で新技術公開
【ロンドンAFP=時事】周囲に飛び交う電波を、低電力機器の充電に使用可能な電力に変換できるとされる「エネルギー収穫技術」が9月30日、英ロンドンで公開された。
(写真は資料写真)
 この「フリーボルト」技術は、英国のポール・ドレイソン元科学技術相によって、英国王立科学研究所の階段教室で発表された。ここは、英科学者で電磁気学の祖、マイケル・ファラデーが19世紀に講義を行っていた場所だ。
 会場の出席者らが使用している携帯電話からの信号によって生成したエネルギーでスピーカーを作動させる実験を披露した。
 本技術は、交流を直流に変換する整流器と多帯域アンテナを備え、「多様な電波周波数帯域からエネルギーを吸収できる」。 ドレイソン氏は「企業は長年にわたり、WiFi機器、携帯電話、放送網などからエネルギーを取り込む方法の研究を続けている」「だが、収穫されるエネルギーがごく少量しかないので、一筋縄ではいかない」と語った。
 英ケント大学のジョン・バチェラー教授(アンテナ技術)はAFPの取材に「このアイデアは、突飛すぎるわけではない。性能は確実に向上すると思う」と語った。 「この技術の問題点は、得られるエネルギーが変動する可能性があることだ。この現象は、電波の周波数に応じて発生する」
 さらにバチェラー教授は、フリーボルトの使用が携帯電話の信号に影響を及ぼす可能性があると指摘したものの、用いられるエネルギー収穫のレベルが低いためその可能性は低くなると指摘した。

「電波から過剰な量のエネルギーを取り込めば、それは窃盗になるが、ここでの話は海にスポンジを1個落とす程度のことなので、波及効果はほとんど発生しないはずだ」2015/10/02-09:27 jiji 

2015年10月4日日曜日

「冷凍動物園」

絶滅危惧のネコ科保存へ「冷凍動物園」 米大学
*2013年に死んだウンピョウの「モビー」の細胞も採取済み=アトランタ動物園
(CNN) 米ジョージア大学の再生生物科学センターが、絶滅の危機に瀕した大型ネコ科動物の遺伝子を凍結保存する「冷凍動物園」の計画を進めている。
計画では、麻酔をかけた動物の皮膚から細胞を採取し、初期化遺伝子を導入して幹細胞を作製。この幹細胞から精子や卵子を作り出す。
既にブタの幹細胞からの精子の作製には成功しているといい、大型ネコ科動物は生物学的構成の解明が進んでいることから、成功する可能性が大きいと判断した。
研究チームはアトランタ動物園の協力を得て、2010年に死んだスマトラトラ「ジャラル」と、13年に死んだウンピョウの「モビー」の細胞を採取済みだという。車にはねられるなどして個体数が減少しているフロリダピューマも、いずれ繁殖の対象に加えたい意向。
採取した細胞は液体窒素のタンクに保管して、幹細胞の作製に備える。理論的にはたとえ200年たっても遺伝子は生き続け、精子や卵子になる幹細胞を作製できるという。
小さな容器を使えばそれほどスペースも取らず、「容器が2つあれば全集団を保存できる」と研究者は話す。

実現のための経費は、インターネットのクラウドファンディングを通じて資金提供を募る。2015.10.02 Fri posted at 17:00 JST

2015年10月3日土曜日

ホーキング博士の警告に科学者騒然

エイリアンが襲来し人類を滅ぼす?! ホーキング博士の警告に科学者騒然
*あるイベントでブースに飾られた“宇宙人に注意”の標識。門外漢の想像は笑い話で済むが、権威ある専門家の“警告”となると、重みが違う(ロイター)
 《AI(人工知能)をしのぐ人類の大敵は、エイリアンだ?!》-。SF小説とみまごうこの一言に、多くの研究者が驚愕し、欧米が騒然となっている。何しろ警告したのが、車いすの天才宇宙物理学者で知られる、スティーブン・ホーキング博士(73)だからだ。博士はエイリアンを含む地球外生命体の探索に取り組んでいるが、人類が関わりを持つことには否定的。しかし、高度に文明化されたエイリアンの襲来を連想させる博士の発言だけに、対抗策などの本格的検討を促しているとも受け止められている。 博士の“警告”を最初に紹介したのはスペイン紙「エル・パイス」。この内容を英紙デーリー・メール(電子版)など欧米メディアが次々と報じた。

エル・パイス(電子版)の記者は博士にこう質問した。
 「最近、銀河系で(エイリアンを含む)地球外生命体を探す非常に意欲的な取り組みを始めましたが、数年前には、地球外生命体がわれわれ人類を絶滅させる可能性があるため、関わりを持たない方がよい、とおっしゃいました。この考えに変わりはありませんか」
 これに対して博士は「エイリアンが地球に来た場合、コロンブスの米大陸上陸時のように、先住民族のことをよく知らないために起きた結果(大虐殺)になる」と述べ、エイリアンが人類を滅ぼす可能性を強く示唆した。
 エイリアンが地球など別の惑星に侵攻する理由として、博士は「高度な文明を持つエイリアンは、自分たちが征服して植民地にする惑星を探すため、(宇宙を徘徊する)遊牧民のようになるからだ」と指摘する。

探査計画協力も
 ホーキング博士は昨年12月、英BBCのインタビューで「完全なAIの開発は人類に終わりをもたらすかもしれない。ゆっくりした進化しかできない人間に勝ち目はない」と発言。AIが人類滅亡を招くとの認識を示して、物議を醸した。
 “AI人類滅亡説”は専門外の分野の発言だったが、今回は「宇宙の権威」である博士が、エイリアンの存在を前提にして、人類滅亡に触れたため、研究者への衝撃度は限りなく大きいという。

 博士は今年7月、宇宙から地球に届く電磁波の中に、どこかの惑星などから地球へのメッセージなど文明の存在を示す信号がないか解析する研究プロジェクト「ブレークスルー・リッスン」をスタートさせた。
 事業パートナーであるロシアの大物実業家、ユーリ・ミルナー氏(53)が拠出する1億ドル(約120億円)を使い、今後10年間で、地球がある銀河系内の100万個の天体を中心に探査。世界中のボランティア科学者の協力も仰ぎ、エイリアンの探査などに取り組んでいる。

安易に関わるな
 このプロジェクトで、仮にエイリアンを含む地球外生命体を確認できても、博士は安易に関わりを持つべきではないとする自説を変える考えはないという。博士の警告から3日後、米航空宇宙局(NASA)が、火星表面の谷間に沿って、塩水の川が流れている有力証拠を見つけたと発表し、地球外生命体が生息する可能性が一気に高まった。この発見が、博士の“警告”にさらに重みを与えた。

 博士は、エル・パイス紙の取材にこう付け加えた。

 「災害が地球を破壊する危険性が高まっており、人類の生存は、宇宙に(地球以外の)新たな家を探す能力にかかっている」2015.10.3 14:09 産経

「ロボット戦争」数年で現実に

「ロボット戦争」数年で現実に AI兵器開発禁止訴え、ホーキング博士ら研究者が警告
*映画「ターミネーター 新起動/ジェニシス」で登場したロボット(人造人間)T-800。人為的に開発を抑制しなければ、現実の世界でもロボットが戦争の主役を担う時代が近づこうとしている(AP)
 人工知能(AI)を搭載して人間が操作しなくても自動的に敵を攻撃する兵器の開発禁止を強く訴えて、英国の著名な宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士(73)らの研究者グループが公開書簡を発表した。書簡では、現在のAI技術は数年内に兵器利用を実現できる水準にあり、放置すればこの分野の軍拡競争を招き、「ロボット戦争」が起きかねないと警告。自律型人工知能兵器は戦争において、火薬と核兵器に次ぐ「第3の革命」になると指摘した。ロボット戦争の恐怖については、映画「ターミネーター」などによって世界で認識が広まったが、それは想像以上に間近に迫っているようだ。

1000人以上が署名
 書簡は、7月28日から1日までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催された国際人工知能会議(IJCAI)で、米国に拠点を置く民間の研究支援組織「フューチャー・オブ・ライフ・インスティテュート(FLI)」が取りまとめて発表した。
 1000人以上の有識者が署名し、この中にはホーキング氏のほか、電気自動車のテスラ・モーターズや宇宙ベンチャーのスペースXを設立したイーロン・マスク氏(44)、AI研究の第一人者であるジェフリー・ヒントン博士(67)、アップルの共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック氏(64)、言語学者、社会哲学者のノーム・チョムスキー氏(86)らそうそうたる著名人が名を連ねている。

簡単な生産・入手
 ホーキング氏らはまず、「主な軍事大国でAI兵器の開発を先んじて進める国があれば、世界中で開発競争が起こることは不可避だ。進歩の行く末は明らかであり、AI兵器は明日の(簡単に入手でき性能も高い)カラシニコフ銃になる」と警告。さらに「核兵器と違ってAI兵器は入手困難な原料なしで大量生産できるため、普及しやすい。闇市場に流れればテロ組織の手に渡ることが懸念される。実際に配備されてからではもう遅い。人為的な制御を施さなければ、それは数十年後といわず数年後にも可能となる」との見方を示した。

 当面、AI兵器として想定されているのは、人間の遠隔操作を離れて標的の探索や攻撃判断を自ら行う小型無人機(ドローン)などだ。AI兵器が危険とされる理由には、コピーが容易で不拡散の監視が困難なことに加え、一般に、(1)誤判断が生じ、味方や無関係の市民に攻撃を加える可能性が排除できない(2)戦場で兵士が犠牲になるケースを減らすことができる一方で、却ってそのことが戦争を引き起こしやすくする-などが挙げられる。

米露では加速
 実際には、書簡が示した懸念とは裏腹に、すでに米露ではAI兵器の開発が着手されている。ロシアでは拳銃を発砲する戦闘ロボットの開発が進められ、今年、戦闘用ヒューマノイドロボットの試作機を完成させた。米国でも国防総省傘下の国防高等研究計画局(DARPA)が、自力で判断して敵を攻撃する自律型人工知能兵器の開発を加速させているとされる。


 ホーキング氏とマスク氏は兵器だけでなく一般的なAIに関しても、これまでにその危険性について警告を発してきた。 「2001年宇宙の旅」や「ターミネーター」などのSF映画の世界ではたびたび人工知能で自律行動するロボットが現れ、人間に危害を加えてきたが、創作物だからこそ、安心して見ていられたに過ぎない。人間の介入なしに戦闘や殺害が可能な兵器の開発は、芽のうちに摘み取る必要がある。2015.8.2 09:55 産経

2015年10月2日金曜日

精子動かす物質特定

精子動かす物質特定、大阪大など 不妊症解明に期待
 精子が動き、卵子と受精するのに必要なタンパク質をマウスの実験で特定したと、大阪大や筑波大のチームが1日付の米科学誌サイエンス電子版に発表。
 このタンパク質は「精子カルシニューリン」で、人の精子にもあり、不妊症のメカニズム解明に役立つ成果としている。

 カルシニューリンは免疫に関わり、マウスや人の全身にあるが、大阪大の伊川正人教授(生殖生物学)らのチームは精子にだけ存在するタイプを特定。精子カルシニューリンが作られないようにしたマウスを作製したところ、精子が尾を十分に曲げられなくなって動きが悪くなり、卵子を取り囲む透明帯を通過できなくなり、不妊になった。2015102 0802分 東京