ナスカ地上絵、鳥はペリカンとハチドリの仲間…北大准教授ら特定
*南米ペルーの世界文化遺産「ナスカの地上絵」に描かれた3点の鳥が、ペリカンとハチドリの仲間だと、鳥類形態学による分析で分かった。北海道大の江田真毅准教授(動物考古学)らの研究チームが論文にまとめ、国際的な考古学術誌「ジャーナル・オブ・アルケオロジカル・サイエンス・リポーツ」電子版に20日掲載された。
地上絵は、ペルー南部の海岸から内陸約50キロ・メートルの砂漠台地にあり、直線や図形を中心に約2000点が確認されている。このうち鳥類は16点あり、江田准教授らが嘴(くちばし)や冠羽、趾(あしゆび)、尾羽などを基に分析した。
これまで、地元でグアノの鳥(カツオドリ類やウ類など)とされていた地上絵は嘴や突き出た胸から、単に鳥類とされていた絵は冠羽と嘴などから、いずれもカッショクペリカンの仲間であり、ハチドリとされていた絵は長い尾羽や嘴などからユミハシハチドリの仲間と、それぞれ同定した。
鳥の絵はこれまで考古学と鳥類形態学の隙間にあって誰も同定していなかった。ペリカンもハチドリも砂漠にはいない鳥で、なぜ描かれたのかという謎は依然残る。江田准教授は「鳥の種類が同定されたことで描いた目的を探る手がかりの一つになると思う。周辺遺跡から発掘された鳥の骨も詳しく調べ、謎の解明を進められれば」と話した。
6月20日(木)17時37分 読売新聞
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