天の川銀河、2割重かった…暗黒物質大量に存在
国立天文台などの研究チームは2日、私たちが住む銀河(天の川銀河)は、これまでの定説よりも2割ほど重いことがわかったと発表した。
宇宙空間は正体不明の暗黒物質で満ちているとされるが、今回の研究から、天の川銀河には暗黒物質が思ったよりも大量に存在すると考えられる。暗黒物質の謎に迫る成果として注目される。
研究チームは、複数の電波望遠鏡を使い、天の川銀河に含まれる52個の天体の距離と方角、動きを精密に調べた。その結果、太陽系から銀河の中心ま
では2万6100光年離れており、太陽系は毎秒240キロ・メートルの猛スピードで銀河中心部の周囲を回転していることがわかった。これまでの定説より毎
秒20キロ・メートルほど速かったという。
回転している太陽などの星々は、銀河の質量による重力に引きつけられるため、遠心力がかかっても飛んでいかない。測定で判明した回転速度を踏まえ、銀河の質量を計算し直すと、従来よりも2割ほど重かった。
銀河に含まれる星などの物質量はほぼわかっており、重さが増えた分は暗黒物質だという。研究チームは、暗黒物質の密度や性質などを予測するうえで重要なデータになる、としている。(2012年10月3日00時14分 読売新聞)
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