「生き仏」に合掌する信者…感激で涙ぐむ女性も
天台宗総本山・比叡山延暦寺(大津市)の難行「十万枚大護摩供(おおごまく)」を9日、延暦寺一山(いっさん)大乗院住職の光永圓道(みつながえんどう)師(37)が結願した。
今月2日から挑んできた光永師は、他の僧侶が支えないと動けないほど衰弱していた。行の過酷さを目の当たりにした信者たちは「命がけで難行を成し遂げられた」と、“生き仏”の退堂を敬虔な表情で見守った。
実施100日前(7月25日)から五穀と食塩を断ってきた光永師。大護摩供中はさらに断食・断水・不眠で、3時間おきに1日8回、信者の願いが成就するよう護摩木を燃やし続けた。
光永師は達成後、無動寺谷・護摩堂から、僧侶に支えられて本堂の明王堂へ移動し、本尊に満行を奉告。その後、真言を唱えたり、印を結んだりして信者に功徳を授与する「お加持」をすると、信者らは頭を下げて合掌し、感激のあまり涙ぐむ女性の姿も見られた。
大護摩供は、7年かけて地球1周分の約4万キロを巡拝した千日回峰行者が、他者救済のため営む大法要。生涯で一度だけのため、山深い無動寺谷には連日、多くの参拝者が詰めかけた。
光永師は2003年3月、比叡山から12年間、外へ出ない「十二年籠山(ろうざん)行」と、「千日回峰行」に入行。千日回峰行は09年9月に達成し、生身の不動明王とされる「大阿闍梨(だいあじゃり)」となった。籠山行は15年2月まで続く。(2012年11月10日07時02分 読売新聞)
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