2014年1月28日火曜日

別々の物事を区別して記憶



別々の物事を区別して記憶神経細胞群を発見 
【ワシントン=中島達雄】脳内で記憶をつかさどる「海馬」へ、信号を整理して送る重要な神経細胞群を発見したと、米マサチューセッツ工科大(MIT)の利根川進教授らの研究チームが米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
 マウスで実験した成果だが、研究チームは「人間にも似た形の細胞群がある。心的外傷後ストレス障害(PTSD)やアルツハイマー病など、記憶に関連する障害に関係がありそうだ」とみている。
 チームは、細胞群が普通より活発に働くマウスと、逆にあまり働かないマウスを遺伝子操作で作製。ある音を聞かせた20秒後、足に不愉快な電気刺激 を与える実験を、いずれのマウスにも3回ずつ繰り返した。翌日、今度は電気刺激なしで音だけを3回聞かせたところ、細胞群が働かないマウスの方だけがおび えた。
 研究チームはこの結果から、細胞群は「音」と「電気刺激」を区別して記憶できるように働いたと推定。半球のような形から、「アイランド・セル(島細胞)」と名付けた。 北村貴司・MIT研究員は「PTSDでは、(事件と風景、音など)別々の物事の記憶が結びついて、障害をもたらしているといわれる。この細胞群の研究が進めば、治療につながるかもしれない」と話す。(20141281436  読売新聞)

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