2013年5月20日月曜日

色で精密に温度計測


色で精密に温度計測 北大 発光体開発、宇宙船に応用も
新型発光体の温度による色の変化。氷点下23度の低温(左端)から、127度の高温(右端)まで50度ずつ上昇させた場合(長谷川靖哉教授提供)


 温度によって色が変わる高性能の発光体を北海道大の長谷川靖哉(やすちか)教授(材料化学)らが開発した。従来の発光体と比べて精密に温度を計測でき、より高温に対応できる。大気圏再突入時に機体表面が高温になる宇宙船などの開発に活用できるという。
 長谷川教授らは、紫外線を当てると緑色に光るテルビウムと、赤色に光るユーロピウムの2種類のレアアース(希土類)に着目。これを有機化合物に組み合わせることで、高分子の発光体を開発した。

 この発光体は氷点下100度の低温から、250度までの高温に反応する。氷点下は緑色で、0度を超えるとレモン色から黄色、60度付近でオレンジ色になり、100度以上で赤く輝く。緑と赤の割合や明るさを分光分析で計測し、1度単位で温度が分かる。
 従来の発光体は単色の濃さが変わる仕組みで、対応できる温度は0~80度。高温になるほど発光が弱まり、150度で分解し再使用できなくなる難点があった。新たな発光体は効率よく発光する上、308度まで耐えて繰り返し使える。
 宇宙船や超音速旅客機、自動車などの開発実験で機体の表面に塗り、高温領域での変化を正確に調べることで設計に役立つという。長谷川教授は「分子構造を研究し、2年以内に適応温度を500度まで高めたい」と話す。(草下健夫)2013.5.20 08:52  産経ニュース

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