2013年5月30日木曜日

「始祖鳥」よりも原始的な鳥


「始祖鳥」よりも原始的な鳥…中国で化石発見
始祖鳥よりも原始的とされた新種の鳥の化石(ネイチャー誌提供)
始祖鳥よりも原始的とされた新種の鳥の復元像(ネイチャー誌提供)

 鳥の祖先とされる「始祖鳥」よりも原始的な特徴を持つ新種の鳥の化石を発見したと、ベルギーや中国などの研究チームが30日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
 中国遼寧省の1億6500万~1億5300万年前(ジュラ紀中期~後期)の地層から見つかった。研究チームは、「あけぼのの鳥」を意味する「アウロルニス」と名付けた。

 ほぼ全身の化石が見つかり、羽毛の痕跡も確認できた。全長は51センチ。骨格を分析した結果、始祖鳥よりも恐竜に近く、これまでの鳥の化石のなかで最も原始的であることがわかった。
 鳥は恐竜から進化したと考えられている。ここ数年で羽毛を持つ恐竜が多数見つかったことから、鳥と恐竜の境界があいまいになり、始祖鳥を恐竜と位 置づける考え方も出てきた。しかし、始祖鳥よりも原始的な鳥がいたという今回の結果で、「始祖鳥は鳥」という説が改めて有力になった。
(2013年5月30日09時01分  読売新聞)

2013年5月27日月曜日

三浦さんエベレスト下山


諦めなければ夢は実現…三浦さんエベレスト下山
カトマンズで26日、記録達成を笑顔で振り返る三浦雄一郎さん=田原徳容撮影

 【カトマンズ=田原徳容】世界最高峰エベレスト(中国名チョモランマ、8848メートル)の最高齢登頂に成功した、プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さん(80)が26日、無事下山した。
 ネパールの首都カトマンズで同日、記者会見を開いた三浦さんは、「命がけで登って、生き延びて帰って来ました。夢は実現し、使命も尽くした。しばらくは休みたい」と語った。
 三浦さんは今月23日、次男の豪太さん(43)らと頂点に立った。その後、標高約6500メートルの第2キャンプまで下り、26日にヘリコプター でカトマンズに戻った。三浦さんは、「私はエベレストに『いらっしゃい』と呼ばれ、3度来た」と述べ、頂上に立った瞬間を振り返り、「人生、諦めなければ 夢は実現できる。素晴らしい宝物をもらった」と目を細めた。80歳での記録達成については、「高齢化社会だが、年齢に負けてはいけない。80歳はまだ、人 生のスタート」と述べた。(2013年5月26日22時51分  読売新聞)

2013年5月25日土曜日

クモ糸繊維でドレス


クモ糸繊維でドレス

 山形県鶴岡市のベンチャー企業「スパイバー」(関山和秀社長)が、人工合成した「クモ糸繊維」の量産技術を開発し、試作品のドレスを24日公開した。工業製品化は世界初という。

 クモの遺伝子を組み込んだ微生物に、原料のたんぱく質「フィブロイン」を作らせ、加工する。安全に安く作る手法を開発し、微生物の培養条件などを見直して生産効率を上げた。数年以内に、月1トン以上の生産が可能になるという。
 糸状でも粉末でも供給可能。防弾チョッキの素材より強く、伸縮性ではナイロンを上回るとか。次世代素材として、世界を絡め取れるか。【藤野基文】毎日新聞 最終更新 05月24日18時44分)

2013年5月24日金曜日

トルコ人であること


トルコ人であること
「ギリシャ文明」の遺跡が多い 親日国 親切 休憩が多い 
ダンス大好き ベリーダンス シシュ・ケバブ ドネルケバブ 
トルココーヒー ヨーグルト のび~るアイスクリーム 

チャイ大好き タバコ大好き 

史上最高齢80歳…三浦さん、エベレスト登頂


史上最高齢80歳…三浦さん、エベレスト登頂
 史上最高齢の80歳でエベレスト(中国名チョモランマ、8848メートル)にネパール側から挑戦していたプロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんは、23日午前9時(日本時間午後0時15分)、自身3度目の登頂に成功した。
 これまでの世界最高齢記録は、2008年5月に登頂したネパール人男性、ミン・バハドゥール・シェルチャンさんの76歳で、三浦さんが更新した。
 現地から、三浦さんの東京事務所(ミウラ・ドルフィンズ)に入った連絡によると、三浦さんは23日午前2時15分(同午前5時30分)ごろ、同行 している次男の豪太さん(43)やシェルパと8500メートルの第5キャンプ(C5)を出て、約7時間をかけて頂上に到達した。4月にベースキャンプ (BC)入りした三浦さんの登山隊は、高度順化を繰り返しながら最終アタックに備え、16日にBCを出発していた。三浦さんは70歳だった03年、75歳 の08年に続く3度目の成功となった。三浦さんは不整脈の持病があり、前回75歳の登頂時と同様に今回も、事前に2度の手術を受けて登頂を果たした。(2013年5月23日12時36分  読売新聞)

2013年5月22日水曜日

無色透明な血液の魚がふ化


世界初!無色透明な血液の魚がふ化 東京・葛西臨海水族館
オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)のふ化直後の仔魚(東京動物園協会提供)

 東京都は21日、葛西臨海水族園(江戸川区)で今年1月、世界で初めて産卵が確認された「オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)」の卵が孵化(ふか)したと発表した。孵化が確認されたのも世界初で、仔魚(しぎょ)3匹が23日から展示される。
 アイスフィッシュは、脊椎動物で唯一、血液が無色透明で、世界で飼育しているのは同園だけ。産卵確認後、非公開の水槽で飼育してきたが、7日に孵化を確認、20日時点で約20匹がふ化した。
 仔魚の体長は約2センチで、孵化直後から成魚の特徴である大きな口が開き、歯も確認できる。孵化直後の生態については、研究例がなく、給餌なども手探りで、同園担当者は「初期の成長段階を記録できるのは楽しみだが、どこまで育てられるかは挑戦」と話す。2013.5.21 20:57 産経

「地球外走行距離」


火星や月の記録保持探査車は? 「地球外走行距離」一覧、NASAが発表
 火星や月などの上を走った、探査車別の「地球外走行距離」のグラフをNASAが発表した。火星探査車オポチュニティによるNASA記録の更新を記念したものだ。


 米航空宇宙局(NASA)が、地球外におけるさまざまな車両の走行距離を表す、スタイリッシュなグラフを公開した。
 2004年から火星に滞在しているNASAの探査車「オポチュニティ」が、アポロ17号の月面車「ムーン・バギー」が保持していたNASA記録を破ったことを記念して、比較のグラフが制作されたのだ。
 オポチュニティは、9年間のオペレーションで35.760kmを走破し、アポロ計画で宇宙飛行士が月面車を走らせた距離である35.744kmを上回った。
 地球外の天体における走行距離のチャンピオンは、旧ソ連の探査車「ルノホート2号」が保持している。ルノホート2号は1973年、月面上を37km走破した。
 オポチュニティは、火星のエンデバー・クレーターの縁のあたりを走り回っており、ルノホート2号の国際記録を破るチャンスはまだある。オポチュニティはその小さな体で、2011年からこの区域を探査して、火星にかつて水があったことを示す非常に明確な証拠を発見している(日本語版記事)。
 2011年8月に火星に着陸したキュリオシティの走行距離は、まだ1kmに満たない。しかし、搭載する原子力電池は少なくとも14年間は持つとされており、すべてのライバルを打ち負かすための時間は十分にある。2013.5.22 06:16 産経

2013年5月20日月曜日

昆虫ヒントに複眼カメラ


昆虫ヒントに複眼カメラ 米チーム
 小さな目が無数に集まる昆虫などの「複眼」をヒントに、盛り上がった半球にたくさんのレンズを並べて画像を撮影できるセンサーを米イリノイ大などのチームが開発した。英科学誌ネイチャーに発表した。

 デジタルカメラに使うと、トンボやアリと同等の視野である160度の範囲の超広角撮影が可能。カメラからの距離が違う2つの物体にも同時にピントが合うため、チームは「監視装置や小型の内視鏡などに利用できるのでは」としている。
 チームは弾力性のある樹脂製シートに、半径0.4ミリの小さなレンズを180個並べ、光を検出する「光ダイオード」という素子を貼り合わせて、半径7ミリの半球形に加工した。
 撮影時には、それぞれのレンズを通じて検出した光の信号をコンピューターで重ね、一つの画像を作成する。平らなセンサーを用いる通常のデジタルカメラに比べて、画像の周辺部のゆがみが少ない利点もあるという。2013.5.20 08:41 産経ニュース

色で精密に温度計測


色で精密に温度計測 北大 発光体開発、宇宙船に応用も
新型発光体の温度による色の変化。氷点下23度の低温(左端)から、127度の高温(右端)まで50度ずつ上昇させた場合(長谷川靖哉教授提供)


 温度によって色が変わる高性能の発光体を北海道大の長谷川靖哉(やすちか)教授(材料化学)らが開発した。従来の発光体と比べて精密に温度を計測でき、より高温に対応できる。大気圏再突入時に機体表面が高温になる宇宙船などの開発に活用できるという。
 長谷川教授らは、紫外線を当てると緑色に光るテルビウムと、赤色に光るユーロピウムの2種類のレアアース(希土類)に着目。これを有機化合物に組み合わせることで、高分子の発光体を開発した。

 この発光体は氷点下100度の低温から、250度までの高温に反応する。氷点下は緑色で、0度を超えるとレモン色から黄色、60度付近でオレンジ色になり、100度以上で赤く輝く。緑と赤の割合や明るさを分光分析で計測し、1度単位で温度が分かる。
 従来の発光体は単色の濃さが変わる仕組みで、対応できる温度は0~80度。高温になるほど発光が弱まり、150度で分解し再使用できなくなる難点があった。新たな発光体は効率よく発光する上、308度まで耐えて繰り返し使える。
 宇宙船や超音速旅客機、自動車などの開発実験で機体の表面に塗り、高温領域での変化を正確に調べることで設計に役立つという。長谷川教授は「分子構造を研究し、2年以内に適応温度を500度まで高めたい」と話す。(草下健夫)2013.5.20 08:52  産経ニュース

2013年5月13日月曜日

ランニングとウォーキング、どちらが体にいいか?


ランニングとウォーキング、どちらが体にいいか?
 走るべきか、歩くべきか。この質問は少なくとも30年以上、医師や運動好きの人を悩ませてきた。いまでは、ある研究がいくつかの点を解明している。同じカロリー消費ならウォーキングのほうが健康にいいが、ランニングのほうが早く痩せられるというのだ。

 データについて言うと、エネルギー消費が同じ場合(例えば女性の場合、7.4kmのウォーキングは5.15kmのランニングに等しい。平均的に、40分のランニングは1時間20分のウォーキングと同じ価値がある):
 ・高血圧と関連するリスクは、ランニングで4.2%、ウォーキングで7.2%低下する。
 ・コレステロールは、ランニングで4.3%、ウォーキングで7%減る。
 ・糖尿病のリスクは、ランニングでもウォーキングでも12%減少する。
 重要なのは、科学的観点においては両者の結果に重要な違いはないということだ。これに対して減量に注目すると、肥満の人の場合(BMI 28以上)、ランニングはウォーキングと比べて90%も痩せるのに効果的だと判明した。

  ウィリアムスはこう説明した。「人々はいつも運動をしないでテレビの前に座っているための言いわけを求めています。しかし、この長期間の調査が示している のはたったひとつです。ランニングもウォーキングも、どちらも健康を増進し、心臓疾患に関連するリスクを減らすということです」。 2013.5.10 19:10 産経ニュースより抜粋

2013年5月7日火曜日

沈んだ超古代大陸?


沈んだ超古代大陸?ブラジル沖で大量花こう岩
 海洋研究開発機構は7日、ブラジルのリオデジャネイロ沖の大西洋海底で、大陸の一部とみられる花こう岩を大量に見つけたと発表した。
 花こう岩は大陸などの陸地を構成する岩石で、大昔に存在した陸地が海に沈んだ痕跡である可能性が高いとしている。
 大西洋には、高度な文明を誇ったが、海中に沈んだとされるアトランティス大陸の伝説がある。しかし、今回見つかった「幻の陸地」は、人類が登場するよりずっと前の5000万年前より古くに存在していたとみられ、伝説のアトランティス大陸とは異なるという。
 大陸の一部が見つかったのは、リオデジャネイロの南東約1500キロ・メートルにあるリオグランデ海膨と呼ばれる隆起した地形の海底。先月下旬か ら今月2日まで、日本の有人潜水調査船「しんかい6500」を使い、ブラジルの研究機関などと調べたところ、深さ約910メートルの場所で、花こう岩とみ られる岩石でできた崖が広がっていたという。(2013年5月7日12時11分  読売新聞)

中坊公平語録


中坊公平語録
「私は太陽電池で動いており、妻が私のお日さんなのだ」

「人生とは長い道のりです。結果ではなく、そのプロセスにこそ喜びがある」 
「わが社は闇の世界と対決する先兵として戦う」

「立ち止まるのは最悪の選択である。世の中、先を見ようと思っても見えるものではない。見通しがないからこそ立ち上がり、一歩を踏み出すのだ」

「スピードが上がるところでねずみ取りをやるから(恨まれて)庶民の情報が上がらんようになる。つまらんことは堪忍してやったらええ」

「指揮官は自ら退路を絶つこと」
「銀行の責任は一罰百戒ではだめや。百罰百戒でいく」
「貸し渋りを人質に取るな!」

「いろいろな仕事の条件や内容を調べて、自分に適合する仕事を探そうとすること自体が、私は違うだろうと思っています。それよりも、いかに自分の能力を上げるか。現場へ行って本質をどのようにして発見できるか。その力を自分のものにする技を磨くことがもっと重要なのですね」

「物事は着手先行ではなく理念先行を旨とすべし」
「担保物件を見れば、債務者の人柄もわかる」
「法は最低限のモラルである」

「お金さえあれば幸せでしょうか。学歴のある人はみんな幸せになるのでしょうか。そんなことがあるはずはない。人間の外側を飾っているものなんかで幸せにはなれません」 

「落ちこぼれで出来の悪い私でしたが、さまざまな事件を担当することによって徐々に成長していきました。事件が私を鍛え、その都度さまざまな教訓を与えてくれたのです。そして、忘れられない思い出もたくさんできました」

アトランティス大陸あった?


アトランティス大陸あった? しんかい、陸特有の岩発見

 ブラジル・リオデジャネイロ沖の大西洋にある海底台地で、陸地でしか組成されない花崗(かこう)岩が大量に見つかり、かつて大西洋上に大陸があっ たことが判明したと、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)とブラジル政府が6日発表した。ブラジル側は「伝説のアトランティス大陸のような陸地が存在した極めて強い証拠」としている。


 アトランティスは古代ギリシャの哲学者プラトンが著書に記した伝説の大陸。高度な文明を誇り、約1万2000年前の洪水で海に沈んだとされるが、これまで痕跡は見つかっていない。
 同機構の有人潜水調査船「しんかい6500」で調査。花崗岩が見つかった海底台地が沈んだのは数千万年前とみられ、人工構造物は見つかっていない。(共同)2013.5.6 22:23 産経ニュース

インド洋の底に失われた大陸「マウリティア」が?


インド洋の底に失われた大陸「マウリティア」が?

 何億年前にもさかのぼるジルコン(ケイ酸ジルコニウムの結晶)が、海に沈んだマイクロ大陸の存在を示唆している。マダガスカル島をインド亜大陸とつないでいたようだ。

 マダガスカル島とインドの間の海底には、大昔の大陸が隠されている。

  このような「失われた大陸」が存在するという仮説を立てたのが、オスロ大学のビョルン・ヤムトヴァイト率いる研究チームだ。彼らは、モーリシャスの砂浜の 砂を分析して、66,000万年前から20億年前の時代のジルコンを発見した。おそらくは、これが海の中に沈んだマイクロ大陸の断片だ。研究は、「Nature Geoscience」で発表された。

 失われた大陸は、科学者たちによって「マウリティア(Mauritia)」と名づけられた。彼らの推測によると、マダガスカル島とインドの間に存在したようだ。実際、約75,000万年前まではインド亜大陸とマダガスカル島はつながっていて、BBCが書いているように、地理的には超大陸「ロディニア」として記憶されている大陸の一部を形成していた。
  ヤムトヴァイトのチームは、モーリシャス(マダガスカル島の約900km東にある島だ)の砂浜を分析して、900万年前の火山の噴火に由来する砂粒がある ことを発見した。しかしこのなかに散り散りになって、さらにずっと昔の標本も存在していた。科学者たちは、砂の中から約20ほどのジルコン(ケイ酸ジルコ ニウムの結晶)を発見したのだ。彼らの説明によると、これは大陸プレートに典型的な鉱物で、20億年も前のものだという(年代の範囲には20億年から6 6,000万年の幅がある)。
 専門家たちによると、モーリシャスの海辺に現れたのは、大昔の小さな大陸の断片だという。約8,500万年前にインド亜大陸とマダガスカル島が分離したあとで、バラバラになって波の間に沈んだものだ。「Nature」が書いているように、最近の(地質学的な意味での話だ)火山の噴火によって、海の底から再び浮かび上がってきて、砂と混じったのだろう。
  さらに科学者の結論によると、このような海に沈んだマイクロ大陸の存在は、従来考えられていたよりも一般的かもしれない。実際、地球重力の分析によって、 海底プレートには普通よりもずっと分厚い地域があることを明らかになった。従ってこうした箇所が、「マウリティア」のような大昔のマイクロ大陸の断片であ る可能性があるのだ。2013.3.7 11:49 産経ニュース

2013年5月6日月曜日

<中坊公平さん死去>


<中坊公平さん死去>「島の痛み分かってくれた」・・・豊島産廃問題尽力
住民たちに「心の豊かさを大切にする島に」と呼びかける中坊さん(左、豊島小体育館で)=2003年9月撮影


 豊島(土庄町)の産業廃棄物不法投棄問題で住民側の弁護団長を務め、県が責任を認めて謝罪し、全量撤去を約束する公害調停の成立に尽くした中坊公 平さんの訃報が伝えられた5日、関係者からは「島の痛みを誰よりも分かってくれた」「きれいになった島を見届けてほしかった」と惜しむ声が相次いだ。
 豊島には、県が1978年、「ミミズ養殖」を条件に業者に汚泥処理を許可して以降、車の破砕くずや廃油が大量に持ち込まれた。汚染された土壌を含め、総量は約94万トンに上る。
 1993年、中坊さんは「金も力もない島に力を貸して」と住民に頼まれ、無報酬で弁護団長を務めた。廃棄物対策豊島住民会議メンバーで元県議の石 井亨さん(53)は「おかしいと感じたら、いい意味で子どものようにけんかをする人だった。島の痛みを感じ、訴える姿は、島民そのものだった」と振り返 る。
 一方で「戦うのはあんたら自身」が口癖だった。同会議の創設者の一人、山本彰治さん(79)は「中坊さんの言葉に後押しされ、住民は県庁前での抗議活動などに取り組み、調停を軌道に乗せられた。中坊さんがいなければ、解決はなかった」と感謝した。
 2000年6月、調停に調印し、住民に謝罪した前知事の真鍋武紀さん(73)は、調印前の控室で初めて中坊さんと顔を合わせた。「厳しい人だと身 構えていたが、いきなり『この辺りはママカリが釣れるんや』と笑顔で釣り談議を持ちかけられ、緊張がほぐれた。住民に信頼された温かい人柄がうかがわれ た」としのんだ。
 調停成立後も、中坊さんは島の将来を気遣い、「大量消費と廃棄の輪を断ち『心の豊かさ』を取り戻そう」と、教訓を語り継ぐよう住民に促し続けた。
 同会議議長の浜中幸三さん(65)は「『鬼の中坊』とも呼ばれたが、細やかな心遣いのできる人だった。最後に一目会えなかったのが残念」と声を落とした。(2013年5月6日  読売新聞)

2013年5月3日金曜日

「脳波停止の後」に残る意識


「脳波停止の後」に残る意識:蘇生医療の最前線から
 蘇生医療の現場では、「脳波が平坦になったあとでも、数時間は意識が存続する」と見られる現象が報告されている。蘇生医療の専門家で「死後体験」の研究者でもあるサム・パーニアに、新刊について語ってもらった。
サム・パーニアは蘇生医療の専門家だ。死の淵から人を助ける仕事だが、蘇生した人たちは時折、物語を持ち帰ってくる。意識に関する、従来の科学的な概念に挑戦するような物語だ。

 蘇生医療は、鼓動が止まった心臓を復活させるための医療処置「心肺蘇生法(CPR)」が採用されるようになった20世紀の中ごろに始まった。当初は、CPRが有効なのは心停止から数分間だったが、医療技術の進歩により、その時間は30分を超えるまでになった。
 新しい手法とともに、「生と死の狭間」はさらに拡大している。そして蘇生した人々からは時折、従来考えられてきた事柄を否定する体験が報告されている。脳の活動が停止していたはずなのに、周囲の物事を見たり聞いたりしたというのだ。
 蘇生した人々の記憶が正確で、なおかつ脳が本当に停止していたのだとすれば、少なくとも現在の神経学では説明が付かない現象だ。
「現在はっきりとしているのは、人間の意識が消滅するわけではないということだ」とパーニア氏は語る。「意識はのあとも、数時間は存続する。外側からは見ることができない冬眠的状態であるとしても」

 パーニア氏は、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校付属病院の医師で、同大学の蘇生法研究プログラムの主任だ。北米と欧州の25病院で臨死体験を記録する「Consciousness Project Human」のAWARE調査の責任者として、この現象を科学的に研究している人物でもある。
 パーニア氏はこのほど、新しい著作『Erasing Death: The Science That Is Rewriting the Boundaries Between Life and Death(死を消去する:生と死の境界を書き換える科学)』を刊行した(同氏は2002年には臨死体験を研究する財団も立ち上げた(日本語版記事)。既刊の邦訳書には『科学は臨死体験をどこまで説明できるか』(三交社)がある)。

 WIREDはパーニア氏に、新刊と蘇生と意識について話を伺った。
WIRED:新刊のなかであなたは、死とは瞬間ではなくプロセスだと書かれていますね。どういう意味でしょうか。
サム・パーニア:死を定義するのに使われてきたポイントがあります。心臓が鼓動を止め、脳が機能を停止するポイントです。CPRが発達する50年前までは、このポイントに到達すると戻ってくることができませんでした。このことが、死は完全に不可逆だという認識につながりました。
 しかし、わたしがいまこの瞬間に死んだとしても、体内の細胞はまだ死んでいません。細胞が酸素を奪われて死ぬまでには時間があります。現在では、人間が死体になるとき、つまり医者が死んだと宣告する時点では、生物学および医学の視点から見ると、死が覆される可能性がまだ残っていることがわかっています。
 もちろん、死者を戻ってこさせることができなくなる時点は訪れます。しかし、それがいつなのかは誰にもわかりません。数十分後という場合もありますし、1時間以上あとになる場合もあります。死とはプロセスなのです。

WIRED:人はどうやって死から生還するのですか?
パーニア氏:脳 卒中では、血液の脳への流入が止まるのですが、脳の細胞は血液流入の停止後、最高で8時間まで生きていられます。細胞内で進行するプロセスを操り、細胞の 死滅を遅らせることができれば、医師たちは人を死に至らせている問題を修復してから、心臓を再起動させ、脳の細胞を元の状態にすることが可能です。治療が 可能な条件下では、ある意味、死は可逆的になり得るのです。
 心臓発作で死んだ人の場合も、その心臓発作を治療できるのであれば原則的に、脳に保護措置を施して、永久的な細胞死に至らないようにしてから、心臓を復活させることができます。しかし、ガンで死亡し、そのガンが治療不可能な場合は、どうしようもありません。

WIRED:死んでから何日、何週間、何年とたってから、生き返らせようという計画もありますね。
パーニア氏:私の話は、人体冷凍保存の話ではありません。人間が死んだとき、細胞死のほとんどはアポトーシス、すなわちプログラムされた細胞死を通して起こります。体を適切に冷やしていると、アポトーシスの基礎をなす化学反応が遅くなります。体を冷やすことで、細胞が死んでいくスピードが遅くなるのです。一方、普通の冷凍技術は細胞に損害を与えます。
WIRED:あなたは臨死体験の研究もされていますが、「死後体験」という別の言葉を使っておられますね。
パーニア氏:「心停止の向こうに行った人たち」の体験を研究するべきだと決めたのです。心停止を生き延びた人の約10%が、何かを見たという驚くべき報告をすることがわかりました。
  そうした心停止の事例を調査した結果、心臓が止まって脳への血液の流入が停止したあとの話であることが明らかになりました。心臓が止まった約10秒後に、 血液が流入しなくなった脳は活動を止めます。医師たちが心肺蘇生法を開始しますが、脳にはまだ十分な血液が届いていません。脳波図は水平のままです。これは死んだ人の、心肺蘇生を受けている最中の生理学なのです。
 わたしの研究だけではなく、ほかに4件の研究があり、そのすべてにおいて同じことが示されています。人々は(脳が活動を停めたあとも)記憶があり、それを思い出せるということです。周囲の物事を正確に見て記憶している人たちに関しては、世界中からエピソード的な事例も報告されています。そうしたことから、この問題はもっと詳しく調査される必要があると思われるのです。

WIRED:著書で最初に取り上げられている死後体験の証言のなかに、ジョー・ティラロシ(Joe Tiralosi)の話があります。彼は心臓が止まってから40分後に蘇生したのですね。
パーニア氏:担当した医師たちとは救急救命室で一緒に働いていたので、最初に冷やすことの重要性はわかってもらっていました。ティラロシ氏が到着した際に医師たちが彼を 冷やしたので、それが脳細胞の保護に役立ちました。ティラロシ氏は心臓の中の管がふさがっていました。これは現在では治療可能です。心肺蘇生法を行って体 を冷やすことで、医師たちは彼を治療することができ、脳はダメージを受けずに済みました。
 ティラロシ氏は目を覚ますと、深遠な体験をしたのでそのことについて話をしたいと看護婦に告げたのです。彼はわたしに、信じられないくらい穏やかな気持ちがして、この完璧な存在が愛と思いやりで溢れているのを見たと語りました。
  こうした話は珍しくありません。見たものは各人の背景に基づいて解釈される傾向があります。ヒンドゥー教徒はヒンドゥーの神を描写し、無神論者の場合は、ヒンドゥーの神もキリスト教の神も見ませんが、何らかの存在を目にします。さまざまな文化の人が同じものを見るのですが、それぞれの解釈は信じる体系によって違ってきます。

WIRED:そうした話から、われわれは何がわかるのですか?
パーニア氏:少なくとも、そうした話は人間が死を通過するときに出会う、独特の体験が存在することを物語っています。それは普遍的な現象で、3歳の幼い子どもでさえそうした体験を話します。そしてこの体験が教えるのは、われわれは死を恐れるべきではないということです。

WIRED:死後体験があると語られるわけですが、それが実際に起きていることを、われわれはどのようにして知ることができるのでしょうか?もしかしたら人々は死の直前、あるいは意識を回復した直後に認識したことを、間違えて認識しているのかもしれません。
パーニア氏:それは重要な質問です。こうした記憶が生じているのは、脳波図が完全に平坦で、科学的に脳の活動がないときなのでしょうか。あるいは、目を覚まし始めたが、まだ意識がないときなのでしょうか。
  死の直前に、あるいは意識を回復した直後に認識したことを間違えて認識したのではないかという考え方は、心停止中に起きたことをとても詳しく説明する人が たくさんいる事実に反します。そうした人たちは、周囲で交わされた会話や、人々が着ていた服装、蘇生法開始から1020分間の出来事などを描写します。 脳活動が平坦であるにもかかわらずです。
 これを支持する証拠はないのですが、良質な蘇生法を受けたことで、じつは脳が活動していたのかもしれません。あるいは人間の意識、精神、魂、あるいは自我ともいうべきものが機能を続けていたということなのかもしれません。

WIRED:こうした体験は、単に脳の非常に微小な活動の現れだという可能性はありませんか?
パーニア氏:人が死ぬと、血液の脳への流入がなくなります。血液の流入が一定のレベルを下回ると、電気活動は生じ得ません。脳に何らかの隠された領域があり、ほかのすべてが機能しなくなってもそれが活動していると考えるには、大変な想像力が必要です。
 このような観察から、脳と心の相互作用に関する現在の概念に疑問が生じます。従来の考え方は、脳内の電気化学的なプロセスが意識につながっているというものです。死後に電気化学プロセスが起きないことは証明ができるので、この考え方はもう正確ではないのかもしれません。
 脳の中には、われわれが発見していない、意識を説明する何かがあるのかもしれません。あるいは、意識は脳とは別個の存在なのかもしれません。

WIRED:それは、意識の超自然的な説明に近いように聞こえますが。
パーニア氏:最 高に頭が柔軟で客観的な科学者は、われわれに限界があることを知っています。現在の科学では説明ができないという理由で、迷信だとか、間違っているだとかいうことにはなりません。かつて電磁気など、当時は見ることも測定することもできなかったさまざまな力が発見されたとき、多くの科学者がこれを馬鹿にしま した。
 科学者は自我が脳のプロセスであると考えるようになっていますが、脳内の細胞がどのようにして人間の思考になりうるのかを証明した実験は、まだ存在していません。
 人間の精神と意識は、電磁気学で扱われるような、脳と相互作用する非常に微小なタイプの力ではあるが、必ずしも脳によって生み出されるわけではない、ということなのかもしれません。これらのことはまだまったくわかっていないのです。

WIRED:ただ、最近はfMRIによる脳画像と、感情や思考などの意識状態の関連性が研究されたりしていますよね。脳を見ることで、その人が何を見ているかや、何を夢見ているかがわかるという研究もあります。
パーニア氏:細胞の活動が心を生み出すのか、それとも、心が細胞の活動を生み出すのか。これは卵が先かニワトリが先かというような問題です。(fMRIと意識状態の関連 性などの観察から)細胞が思考を生み出すことを示唆していると結論する試みがあります。「これが憂鬱の状態で、これが幸せの状態」というわけです。しかし、それは関連性に過ぎず、因果関係ではありません。その理論に従えば、脳内の活動が停止したあとに、周囲の物事を見たとか聞いたとかいう報告はないはずなのです。脳内の活動が停止したあとも意識を持ち得るのだとすれば、おそらくは、わたしたちの理論はまだ完成していないということが示されているのです。 2013.5.2 13:26産経ニュース

2013年5月1日水曜日

「東電に戦略ない」


福島第1原発の汚染水「最新の危機」「東電に戦略ない」 米紙
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は30日までに、東京電力福島第1原発で増え続ける汚染水が同原発事故の「最新の危機」だと報じた。汚染水 が漏れ出し、太平洋に流出する危険を指摘したほか、東電に「一貫した戦略がない」とし、次々に表面化する問題の処理を場当たり的にこなしているとも批判し た。

 記事は、東電と政府が事故後の対策に外部専門家らの関与を拒んだと指摘。同原発を原子力産業のコントロール下に置き続けたかったためだと指摘している。
 汚染水増加の原因である地下水の流入を止めるため、原子炉建屋の周囲にコンクリートの壁を地下約18メートル以上の深さまで設置する提案も東電は拒否し、代わりに地下貯水槽を急造するなどの暫定策を取ったが、結局、貯水槽が水漏れを起こしたと伝えた。(共同)2013.4.30 19:04 産経