2012年7月12日木曜日

ガララーガ投手


大誤審完全試合
2010年6月2日のMLBタイガース対インディアンス戦のこと、タイガースのアーマンド・ガララーガ投手9回2死までパーフェクト27番目の打者を一塁ゴロに打ち取り、カバーに入ったガララーガが一瞬先にベースを踏んだが、ジム・ジョイス審判の判定はセーフ史上21回目となる完全試合が消えた

ところが試合終了後、審判歴22年のジョイス審判はロッカーでビデオを見て「誤審」を確認。涙目で「打者走者の足が一塁のベースを蹴るのが一瞬早かった、と確信してセーフと言ったが間違いだった。完全試合を若者から奪ってしまった。大誤審だ」と記者団に語り、クラブハウスではガララーガ本人にも直接謝罪した

審判が自らの間違いを直接選手にわびるという異例の行為に、ガララーガは寛容にこう言った
彼は本当に恐縮していた誰しも完全(パーフェクト)ではないNobody's perfect)」
わざわざそう言いに来てくれたことで十分だった。最初は怒りがこみ上げたが、人に間違いはつきもの。彼の涙を見たら、彼こそ一番つらいのだと思って、思わず抱きしめたよ

翌日の試合、タイガースのリーランド監督は、球審に回ったジョイスのもとに先発メンバー表を持っていく役をガララーガに任せた。「誤審にはもうわだかまりはない」という監督の配慮だ。ガララーガとジョイス審判の握手、涙をぬぐいメンバー表を確認するジョイス審判、その肩をぽんとたたくガララーガ、ガララーガの背をぽんとたたくジョイス審判このとき、スタンドのブーイングは拍手と声援に変わった

誤審を認めて謝罪するジョイス審判それを寛大に受け入れるガララーガ投手――アメリカは「だれでも失敗する。失敗を認めて謝ったらセカンドチャンスを与える」という国で、ジョイス審判は心から謝罪したから許されたという。一生に1度あるかないかの記録を消され、なお相手を思いやるガララーガ投手の姿が「史上最高の試合」とのことだ。

ガララーガは週間MVPに選ばれた後、こうコメントしている。
「誰も終わったことは変えられない僕はみんなが喜んでくれて、そして僕が完全試合をやったと信じてくれているとわかっている史上、完全試合が何度あったかと話題になるたび、20という数字とともに、みんな僕の完全試合を挙げるだろうだって僕のはアウトを28も取った特別なヤツなんだから」

一試合に28連続アウトの完全試合!――ガララーガ投手のこの記録は今後も破られることはないだろう。ガララーガ投手の偉大なる寛容の精神とともに・・・。

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