2015年10月6日火曜日

ノーベル物理学賞に梶田隆章氏

ノーベル物理学賞に梶田隆章氏 素粒子ニュートリノ研究 
スウェーデン王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル物理学賞を、東京大宇宙線研究所長の梶田隆章教授(56)ら2氏に贈ると発表した。梶田氏は岐阜県にある装置スーパーカミオカンデで素粒子ニュートリノを観測し、「ニュートリノ振動」という現象を初めて確認。質量(重さ)がないとされていたニュートリノに質量があることを証明した。宇宙の成り立ちを説明する物理学の「標準理論」に修正を迫った。

 ニュートリノ研究で日本人がノーベル賞を受けるのは、2002年に受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授に続いて2回目。
 ニュートリノはほかの物質とほとんど反応せず、地球をも通り抜ける。三つの型があるが、標準理論ではいずれも質量がないとみなされており、もし質量があれば、長距離を飛ぶ間に違う型に変身する「振動」という現象が起こるはずだと理論的に予想されていた。

 梶田さんは、岐阜県・神岡鉱山の地下にあるスーパーカミオカンデで、宇宙線が地球の大気にぶつかって発生する大気ニュートリノを観測。地球の裏側でできて地球を貫通してきたミュー型の大気ニュートリノの数が、神岡上空でできたものの半分であることを突き止め、1998年に発表した。
 大気ニュートリノはどこでもまんべんなく発生するので、「振動」がなければ同じ数だけ観測されるはず。このデータは、地球の裏側から来る間にミュー型から他の型へ変身している決定的な証拠になり、ニュートリノに質量があることが確実になった。その後、「振動」を世界中で精密に調べる実験が行われ、素粒子物理学の大きな流れをつくった。20151061908分 朝日

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