2009年9月29日火曜日

万国共通5

交通信号
 これも世界共通の色を使っている。信号機の色が「赤・黄・緑」の3色である理由として、160年ほど前のイギリスの鉄道会社の実験で「信号として見やすい色は白・赤・緑・青の順」ということが分かり、当初は「赤・白」の2色が使われていた。しかし電灯が普及するにつれて「白」が普通の街路灯と勘違いされやすくなったため、白から緑に変えられるようになったとのこと。したがって、現在各国とも緑・黄・赤の3色であり、申すまでもなく、対面する信号機の緑は「進んでもよい」(通行許可)、黄色は「停止位置で止まれ。ただし停止位置で止まれない時はそのまま進んでもよい」(停止)、赤は「進んではいけない」(進行不可)である。
 これは国際的な取り決めであるが、行政上の運用取り決めは、特に歩行者信号、赤での右折(米)などで各国、若干の相違がある。(蛇足ではあるが、中国の大革命の時交通信号の紅信号を、他の色に変えようとしていたそうだ。「紅」は革命のシンボルだから、「革命」を停止させるわけにはいかないというのがその理由だった。)

 世界初の信号機は、1868年ロンドン市内に設置された光源にガスを使い、緑色と赤色を手動で表示するものだった。この信号は馬車の交通整理のために置かれたが、起動後まもなく爆発事故を起こしている。1918年、ニューヨーク市内に世界初の電気式信号機が設置されている。
 日本では、1930年3月23日に東京市(当時)の日比谷交差点に設置されたものが最初である。これは米国製であったが、同年には国産の信号機も製造開始されている。ご存知のように2002年頃から、消費電力が15W程度、寿命も7年程度と長い発光ダイオード(LED)式のものに替ってきた。

 交通信号機の形状は、世界では縦型が一般的のようである。縦型の信号の場合、上から赤・黄・青である。上を上位と見るなら赤は一番上にあり、上位である。 
 一方、交通信号が横になっている国は日本(札幌など雪国では縦型も使われている)、韓国、台湾、モンゴルがあった。ただし、信号の色は、日本は左から、青・黄・赤となっているが、日本以外は左から赤・黄・青となっているのだ。左の方が優位・上位であるとすると、縦型と同様に、日本以外の国は赤が一番左にあり、上位である。

 では何故日本では、赤が上位概念とならないのだろうか?
海外の電化製品を使用する際に気付くと思うが、日本とは逆に“ON”は赤、“OFF”は青表示が一般的である。これは、赤=danger、青=safetyを示しているのである。電源が入っているということは通電しており、dangerである。「電気通っているから気をつけろ!」 ということなのだ。日本ではスイッチが入っているということは、「GO、つまり使用できるよ~」ということであり、安全の観点からの意識が全く異なるのである。

 「緑」が「青」と呼ばれた理由のひとつは、日本語の「青」の範囲は広く、「青菜」や「青物」など緑色のものを「青」と呼ぶ場合も多く、色の三原色「赤・黄・青」からも、緑色の信号も青信号と呼ばれるようになった。
 さらに、古代の日本の色が「白黒赤青」しかなかったからという。

 当初法令上は「青」ではなく「緑」だった。しかし先のような流れで「青色信号」という呼び名が一般的になってきたことから、1947年に法令でも「青信号」と呼ぶようになり、1948年以降に作られた信号機は呼び名どおり青色になったのだという。


 さて、現在の信号機の「青」の波長は青緑あるいは碧色なので、波長が 500 nm 付近の光だと考えられる。500 nm 付近は青と緑の境目に当るため、青が強めに見える人は「青」に見え、緑が強めになると「緑」に見える(因みに、波長で云えば、青 480~490nm 、緑青 490~500nm 、青緑 500~560nm、緑 560~580nm)。
 近年では(青色発光ダイオード等で)意図的に青色にしている信号機も見かけるようになった。
 以上、信号機の「進んでも良い」は日本の法令上は「青」。しかし国際ルール上は「緑」である。

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