2008年9月25日木曜日

手前勝手?当り前のこと?

 
 薬学部が6年制に移行して3年目、実務実習の受け入れ先問題、「規制緩和」の美名のもと新設校の増加と、18歳人口の減少、志望者減、大学院、研究体制等々問題山積ではありまが、(小生以外の)先生方の頑張りには本当に頭が下がります。

 生き残りをかけた「闘い」が熾烈を極め、「特徴づけ、売り」、ブランディングなど各大学の智慧、工夫が試されています。

 固より私立大学にあっての至上命令は「薬剤師国家試験高合格率」維持のプレッシャーであります。その日暮らしに追われ、ともすれば「教育の本質論」の議論が希薄なまま?「専門学校化」に突っ走るように映る弊害・現状に疑念を抱く先生方も多く見られます。
 しかしながら、一方で「背に腹は替えられない」“コンセンサス”が一人歩きしているようにも思われます。

 昨年の安倍総理突然辞任はイタリアでの学会中に教えられた。周りの人から何でそんな簡単に辞めるの?と聞かれてもこっちが知りたいよ、と答えてた。今年の福田氏の場合はウィーンでの学会中でした。もはやほとんど話題にもされなかった。

 ただ「国家にリーダー不在」が深刻化し、世界におけるニッポンの存在感の希薄さ、地盤沈下が取り沙汰されています。ニッポンの舵取り役であるべきはずが、権謀術数に長けた視野と能力・脳力しか持ち合わせないらしい印象。だから登りつめた頃には疲れきって、リーダーとしての資質の無さを曝け出す。出発点のはずがゴールになってしまう。はてさて新しいおヒトはどうだろう。「遊び」がありそうだから少し余裕を感じるかな。

 これは何が高級なのか分からない「高給官僚」や、磨かれた芸を持ち合わせない「芸ノー人」が公共の電波をジャックする耐え難い現状に相通ずるものがありそう。周りを含めて根が深い。

 いずれも共通する根幹は、まさにノブレス・オブリージュの理解に欠けた「教育」の問題に通ずるものと思われ、それが改めてクローズアップされているのも頷ける。 

 そんな訳もあり、ぐっとローカルな視点になりますが大学薬学部に翻って言えば、一学年230人の学生のうち5人でも10人でもいい、「英才教育を施すべし」「出る杭を引っ張り挙げる」との感は、従来からの主張の繰り返しにはなるが、ますます意を強くする。 

 結果が現れるまでに5年10年と長期的視野で見なければならぬが、たとえ少数であっても、各分野(例えば、薬局薬剤師、病院薬剤師、治験、行政、国家、地方、企業、アカデミア、創薬、研究開発、MR、国連、海外)において大きな影響力を発揮しうる秀でたリーダー人材を養成・輩出することで、大学の認知度、重要度に与える影響は極めて大きいものが期待される。

 一度サイクルが回れば、それによって入学から卒業の良い循環が生まれ、より活性化する。エリート養成教育を施し大きな社会貢献を可能とする人材育成を行うことが肝要だ。 

 基本的にはどこの分野でも共有できるお話しです。

  (2008.9記)

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