火星にかつて「生命が存在可能な環境」 NASA
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は12日、火星探査機「キュリオシティ」の探査の結果、火星にかつて生命の存在が可能な環境があったことが分かったと発表した。
キュリオシティのプロジェクトを担当する科学者のジョン・グロツィンガー氏は米カリフォルニア州で同日記者会見し、「我々が発見した生命存在可能な環境は、安全に生命を維持することができ、もしそこに水があったとしたら、飲むこともできていたはずだ」と語った。
発表によると、キュリオシティが火星の岩石を掘削して回収した粉末試料を分析した結果、生命の存在に必要な硫黄、窒素、水素、酸素、リン、炭素など
の化学物質が豊富に含まれていることが分かった。グロツィンガー氏はこの環境について、「微生物が存在し、恐らくは繁殖していた可能性のある環境」と定義
している。
粉末の色は緑がかった灰色で、それほど酸化していないことを示しており、そこに存在していたかもしれない有機物を維持することが可能だったとNASA研究者は解説する。この試料の20~30%は、水のある場所に形成されるスメクタイトという粘土鉱物の一種だったという。
キュリオシティが探査を行っている「イエローナイフ・ベイ」という場所にはかつて、わずかに塩分を含んだ液体の水があったと思われるという。
火星には2004年に探査機「オポチュニティ」が着陸して別の場所で探査を実施しているが、こちらで見つかった岩石は酸性の水があったことを示す赤鉄鉱で構成され、生命の存在には適していなかった。
今回見つかった鉱物の状態からは、火星に存在していた生命が微生物の形を取り、鉱物をエネルギー源としていた可能性があることも分かった。
現代の微生物学では、岩石からエネルギーを摂取できる微生物の存在が確認されている。しかし地球外環境でこうした形の生命維持の可能性が指摘されたのは今回が初めてとみられる。
キュリオシティは次回は5月以降に2回目の掘削を行う予定。1回目の試料には、火星の別の場所で採取された物質が混入していた可能性もあり、研究チームは次の結果に期待を寄せている。2013.03.13 Wed posted at 10:07 JST
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