生まれ年から鳥インフルエンザの重症化リスクを予測可能?
動物からヒトに感染するインフルエンザウイルスに感染したときに重症化したり死亡したりするリスクを予測する際には、生まれ年が役立つ可能性があることが、「Science」11月11日号に掲載された研究で示唆された。米アリゾナ大学(ツーソン)生態・進化生物学部長のMichael Worobey 氏らの研究。
インフルエンザウイルスの感染歴は、新しい動物由来のインフルエンザウイルスに対する防御には全くまたはほとんど影響しないと考えられてきた。しかし、鳥インフルエンザウイルスH5N1およびH7N9によるこれまでの重症例・死亡例を全て分析した結果、小児期の初回のインフルエンザウイルス感染が、将来、どの新しい鳥インフルエンザウイルスに対して防御効果をもつのかを予測するのに役立つことがわかった。
Worobey 氏らによれば、生まれ年によって小児期に初めて感染するインフルエンザウイルスの種類は異なり、これによって身体で異なる種類の抗体がつくられるという。初回感染したものと同じグループに属する鳥インフルエンザウイルスに感染した場合、重症化に対する防御効果は75%、死亡に対する防御効果は80%と推定された。今回の結果は、インフルエンザが大流行するリスクを抑える新しい方法につながる可能性がある。
Worobey氏は、「初めて遭遇したインフルエンザ株に対しても、初回の感染歴が防御の成否に大きく影響する因子だとわかったことは朗報である。ただし、このような大きな防御効果を与える刷り込みをワクチンで変えることは難しい可能性もある」と述べている。 2016/11/30ケアネットHealthDay News
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