2016年8月20日土曜日

アメーバのように泳ぐ油の粒を発見

アメーバのように泳ぐ油の粒を発見
生き物ではないのに、アメーバのように形を変えながら水中をひとりでに進む極めて小さな油の粒を、東京大学などの研究グループが発見しました。なぜ動くのかは分かっていないということで、動きを制御できるようになれば、水中で物質を運ぶ新たな手段になると期待できるということです。
この現象は、東京大学や慶応大学などの研究グループが、別の実験をしている中で偶然に発見しました。「デカノール」と「ウンデカナール」という2種類の物質を混ぜて特殊な油を作り、水と油をなじませる物質を溶かした水に混ぜたところ、ひとりでに動き始めたということです。

顕微鏡を通して撮影した動画では、静止している水の中で、数十マイクロメートルほどの油の粒が、アメーバのように形を変えながら進む様子が確認できます。なぜ動くのかは分かっていませんが、研究グループでは、水に溶かした物質が油と反応するなどして粒の周囲に水の流れを作り、その勢いで動いているのではないかと推定しています。今後、油の粒が動くメカニズムの解明を進め、動きを制御できるようになれば、水中で狙った場所に物質を運ぶ新たな手段になることが期待できるということです。


研究グループの1人で、東京大学大学院の豊田太郎准教授は「この油の粒がアメーバのように変形して狭い場所にも到達することで、例えばタンカーが事故を起こした際、重油の回収などに応用できるのではないかと期待しています」と話しています。820 1525分 NHKニュース

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