2014年6月26日木曜日

宇宙急膨張の証拠観測、誤りか

宇宙急膨張の証拠観測、誤りか米研究チーム
 【ワシントン=中島達雄】米カリフォルニア工科大などの研究チームが今年3月、約138億年前の宇宙誕生直後に宇宙が急膨張したことを示す証拠を初めてとらえたと発表したが、この成果が誤りだった可能性が出てきた。
 研究チームは当初、南極に設置した電波望遠鏡で、宇宙の急膨張で生じた「原始重力波」の痕跡を観測したと発表した。佐藤勝彦・自然科学研究機構長と米物理学者アラン・グース博士が1980年代初めに提唱した「インフレーション(急膨張)」理論を裏付ける観測結果で、「ノーベル賞級の成果」と話題になった。
 ところが、このチームは今月19日、米国物理学会誌に新たに論文を発表、「観測した波の痕跡全体が、銀河のちりによって生じた可能性を排除しきれない」と明かした。原始重力波の痕跡観測という結論は撤回していないものの、「他の装置による、さらなる観測を待つ必要がある」と慎重姿勢に転じた。20140626 1733 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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