2008年7月31日木曜日

こんな研究をやっています3/4

こんな研究をやっています3/4

~アルツハイマー症への貢献と体内宅急便を目指して~

これは昨年xx大学薬学部「公開講座」の際に用意した講演要旨です。4回に分けて掲載します。3回目です。

2)体内宅急便

医薬品を生体内投与した際、標的細胞や標的臓器に送達できれば高効率、副作用軽減等が期待されます。特に制癌剤の場合正常細胞に障害を与えることなく、目的とするがん細胞により多くの薬剤を送達することが可能になりそのメリットは大きいものがあります。

また遺伝子治療(ゲノム創薬)はきたるテーラーメイド医療に大きな期待が寄せられています。しかし遺伝子治療の元となる遺伝子は体内で速やかに分解されてしまうため、良い治療薬が出来てもそれを体内の特定部位に安定に送達する「運び屋」が無ければ効果を発揮できません。

リポソームは古くから研究されている医薬品を送達することのできる「運び屋」(ナノパーティクル)の一種です(図2)。生体膜と同様な脂質分子から成り立っている二重膜構造を持つ閉鎖小胞であります。そのため生体適合性が高く、さらに親水性・疎水性医薬品をはじめ、遺伝子、ペプチド等分解されやすい化合物もリポソームに内包することができます。

しかし単純な脂質分子であるリポソームは、このままでは期待する効果を発揮できません。

そこで機能性化合物で表面を化学修飾することにより、例えば標的化、遺伝子導入効率の増強、血中滞留性の向上、核内移行等の合目的的機能を持たせることが可能になります。                       

そのような背景の下、我々はナノカプセルキャリアーとしての化学修飾リポソームを医薬品分野へ応用する基盤的研究を進めてきています。             

 リポソーム膜表面を機能性ペプチドで修飾することにより、特定組織への標的化、細胞内への取り込み促進、細胞内動態の制御など、様々な機能をリポソームに付与することができることを示しました。

 すなわち、生体内宅急便用の住所に相当する特定のペプチド鎖で化学修飾することによって、目的とする細胞や部位(標的分子、標的細胞)に親和性を持たせることが可能になり、ねらいを定めて優先的に配達できることを示しました。


2007.10記) 


2008年7月29日火曜日

こんな研究をやっています 2/4



こんな研究をやっています2/4

~アルツハイマー症への貢献と体内宅急便を目指して~

これは昨年xx大学薬学部「公開講座」の際に用意した講演要旨です。4回に分けて掲載します。2回目です。


そこで我々は先ずAbを構成するアミノ酸の並びのうち、どの部分が凝集に関係するのかを蛍光分析法により調べました。するとAb16~20残基に相当するLysLeuValPhePhe (KLVFF) 配列同士の結合が顕著にあらわれました。

 Abの脳内発現・凝集がAD発症のおよそ230年前から始まっていると言われることなどを考慮し、凝集を阻害する薬剤、または線維化したAbの溶解や分解を促進する薬剤の開発に着手しました。

 Ab凝集体が主に疎水性相互作用により形成されることからAb凝集体に水和殻を導入できれば凝集を阻害、もしくは凝集体を分解できるのではないかと考えました (図1) そこで、このKLVFF配列を分子認識部位とし、これに親水性化合物や電荷を持つアミノ酸を結合させた凝集阻害剤を設計し、合成しました。                            

この戦略に基づいた一連の化合物は目論み通りAb凝集に対し顕著な阻害作用を発揮し、さらにAbによる細胞毒性を軽減することを見出しました。


より優れた効果を持つ化合物の設計・開発を目指し、関連研究を鋭意続行しています。

現在わが国でADに臨床適用されている薬剤は、基本的にアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるDonepezilのみであると言えます。

AD患者の脳では、神経細胞の変性・脱落に伴い、多作動系にわたる神経伝達機能が障害されています。そのなかでも特にアセチルコリン系神経の障害が強いので、アセチルコリンを分解する酵素の働きを阻害することにより脳内アセチルコリン濃度を高めることを目的としているわけです。

この薬剤は副作用という面では安全でありますが、神経変性の進行と共に効果は減弱してくるため、効果面で限界があります。また作用機構の面から根本治療薬とはなり得ないので、他の薬剤の開発が望まれています。

ワクチン療法や、APP(アミロイド前駆体タンパク質)からのAbの切り出しを阻害する薬剤、また、Abの凝集を抑制する薬剤などが盛んに研究されています。

そのようななか、我々が合成した上記阻害剤化合物群は、ひと度形成されたAb凝集体・線維体を解消する性質を持つことが示されており、ADの根本治療薬開発の可能性を秘めています。現在病態小動物を用いる活性テストへと研究を展開中であります(共同研究)

                          図1 Ab凝集阻害剤の設計
2007.10記) 


3回目につづく


                     

2008年7月27日日曜日

エジプトにて 2000.10




こんな研究をやっています1/4


こんな研究をやっています1/4

~アルツハイマー症への貢献と体内宅急便を目指して~

 これは昨年xx大学薬学部「公開講座」の際に用意した講演要旨です(2007.10記)。

一般向けにできるだけ平易に書いたつもりです。4回に分けて掲載します。初回分です。


はじめに

 一般に大学は教育研究機関であると認識されています。それでは、大学薬学部における研究はどうあったら良いのでしょうか?薬剤師養成教育の見直しのため薬学部が6年制に移行した現在「研究の位置づけ」はどのように変わるのでしょうか、あるいは、変わらないのでしょうか?

 研究活動は教育の一環としてon-the-job trainingとして位置づけられる一方、学位授与機関として最先端の成果を求められています。そして、その内容は当然のことながら世界の舞台で問われ評価されます。我々大学で禄を食む者が常に自らに問いかけている課題であります。

さらに我々の研究活動が文部科学省科学研究費という税金と授業料という浄財によって成り立っている以上、何らかの形で報告し世に問うアカウンタビリティを意識せざるを得ません。

ひと口に研究といっても、基礎研究、トランスレーショナルリサーチ、限りなく出口に近い研究等々様々であります。ここでは、過去数年間我々の研究室でささやかながら推進してきたアルツハイマー症、並びに、標的化薬物送達法に関する基盤的研究の一部につき、その概要を紹介し、その責を果たしたいと思います。


1)アルツハイマー症(AD)原因物質に関わるもの

 ドイツの病理・精神医学者Alois Alzheimerが一女性患者の異状に触発され、認識、行動、経過をつぶさに記録し、死後患者脳の顕微鏡的変化などをまとめ報告してから100年を経ました。 
 AD
は脳の神経細胞そのものの機能が低下し死滅する進行性の神経疾患です。記憶障害がいつとはなしに発症して徐々に進み、認知機能が全般的に低下し痴呆・認知障害をきたします。さらに進行すると歩行障害や嚥下障害などの神経症状が現れ、感情活動も乏しくなり、無関心、無表情の状態になります。高齢になればなるほど発症率・有病率が高くなります。 

 いわゆる痴呆は大きく分けて脳血管性のものとアルツハイマー型のものに分けられますが近年、アルツハイマー型の認知症が脳血管性認知症の数を上回っているという統計があります。ADは若年性で発症するものと老年期に発症するものがありますが、いずれも人格崩壊、徘徊、知的障害を伴い、高齢化が進行する日本では根本的な治療薬の開発が急務となっています。原因については、アミロイドベータ(Ab)ペプチドや異常タウ蛋白が関与していると考えられています。

AD患者の脳には老人斑という沈着物が見られ、その主成分はAb39-42個のアミノ酸からなるペプチド)が凝集・線維化したものです。ADの病理過程の仮説として、まずAb長時間かかって凝集して脳内沈着を起こし、これがきっかけとなって神経細胞が死滅するというアミロイド仮説が知られています。注目すべきは一分子のAbそのものには神経細胞毒性は認められず、凝集・線維化することによって毒性を示すと言われている点です。

(2007.10記) 

次回へつづく


2008年7月23日水曜日

2年前のものです






ブログを立ち上げて1ヶ月、一種の自己記録と自己アピールのつもりで紹介してきた「在庫品」もいよいよ底をついてきました。過去ログ紹介はこの間に済ませるつもりでしたので、とりあえず予定通りの進捗状況です。これは2年前さる仲間うちのローカルコミュニティー、 private BBS (Bulletin Board Service) に掲載してもらったコメントの焼き直しです。

Madrid雑感

スペインの想い出ですか?まじめにシンポジウムに通っていたので ?? 特段の自慢話はありませんなー!お城での晩餐会、イベリコハムの食い放題ぐらいかな。

Prado美術館に程近く、Retiro (レティーロ)公園があります。マドリッド市民の憩いの場であるらしい。その中に「ガラスの宮殿」がありました。一度に25人までしか入れません。全員入り口で渡される使い捨てのソックスに履き替えて、なかに入ります。

写真を撮っていたら叱られました。したがって大変「貴重な」写真を紹介します。外観、内部の雰囲気です。もう一枚はお分かりいただけるように、自分で床面を撮ったものです(ここで注意を受けました)。「順番待ちのときは、本建築物の特徴を十分活用するよう心配りをしましょう!!」さらにマドリッドの印象が良くなることでしょう!

2006.10記)

2008年7月21日月曜日

3年ものです

自己紹介を兼ねて「流用」してきた過去ログもそろそろ底をついてきました。かつて、さる仲間うちのprivate BBS (Bulletin Board Service/System) に載せてもらった原稿です。

雑感

どういった風の吹き回しか不明ですが、とにかく昨年と今年、主催者の異なる国際会議からの招待を得ました。共通点は参加者150-200人程度のこじんまりした会議で、開催場所はいずれも地中海、エーゲ海に面したリゾート地であり、日本からの参加は小生ひとりだったこと、他はヨーロッパ各国とアメリカでした。

主催国のトルコ人はEU加入を目論んでヨーロッパを向いていますが、極めて親日的であります。ひとつには歴史的な背景(遭難漁船員救助、ロシアをやっつけた、ケマルパシャ(アタチュルク)の独立戦争に武器を援助した等々)があるようですが、詳細はもっと勉強しないといけないと反省しています。

トルコの人口構成は、日本と違い若者の比率が高い(18歳未満が総人口7,000万のうち25%を占めるそうだ)ことが特徴です。xx部は人気学部で女性比率が極めて高い(教員学生とも70-80%)、何故でしょうか?簡単明瞭、共通テスト上位4%が薬学に入れるとのことです。授業料要らない、政府負担。したがって、お分かりでありましょう、会議には沢山の女性の参加が自然の成り行きとなります。

 講演の最初には当然「つかみ」が必要となります。一番いいのは会議の流れに沿ったジョークから入ることですが、これは小生にはかなり難しい。次善の策は「現地語のご挨拶」、これは結構うける、拍手大喝采。そこで、覚えておくと便利、必修トルコ語。トルコに行ったらどこでも使えます!

Merhaba(メルハバ、こんにちは)

Gunaydin (ギュナイドゥン、おはよう)

Tanistigimiza memnun oldum.(タヌシュトゥームザ メムヌン オルドゥム、お目にかかれて嬉しく思います)

Turkiye’yi seviyorum.(テュルキイェイ チョク セヴィヨルム、トルコが大変好きです)  

Tesekkur ederim(テシェッキュレデリム、ありがとう)

Adim(アドゥム)Nippon Taro.

Ben Japonum(ベン ジャポヌム

Allahismarladik (アラスマラドゥク さようなら) 

さらに、彼らはダンスが好きです。晩餐の後半はスローから入って、最後はみんなで賑やかに踊りまくるのです。必ず引き込まれてしまいます。せめて阿波踊りでも何でもいいから踊れるようにしておくと、すばらしいと思うのですがーー。

グランバザールの一角に泥棒市と呼ばれる場所があるらしい?遺跡から美術品等々、それだけを目当てに毎年トルコに通う日本人医師がいると聞きました。値段は交渉次第、あって無きに等しいとのことです。真偽のほどはどうか皆様ご自身でお確かめください。

2005.10記)

2008年7月18日金曜日

4年前に書きました2 


これは同窓会ローカル支部の依頼に応えるものでした。


はじめまして、よろしくお願いします

今、イスタンブールへ向かうトルコ航空の機中にいます。ケメルというアンタルヤ近くの地中海岸リゾート地での国際会議で招待講演を予定しています。このところ連日その講演の準備と研究費申請書類書きに追われていましたので、他のことを思う余裕がありませんでした。

そういえば先日、思いもよらぬ原稿依頼が舞い込み、今、機中で一息ついたところで、それを思い出しました。何となくお引き受けした形になった感じです。何を書けばいいのか全く準備のないままに書き始めました。秩序なく思いつくままに認めることになります。書き下ろしというのでしょうか?

得体の知れぬヤツと思われても困りますので、先ずは簡単な自己紹介をさせて頂くのが筋でしょうか?学生時代は山xxー部とxx部に所属し、鷹揚な時代の恩恵をフルに受けました。xx部に17年間奉職後、つくばの住人となって19年目になります。昨年(H154月現在のxx大学xx部に移るまでずっとxx研にお世話になっていました。よろしくお願いいたします。

そう言えば、思い出されます。大学にいたころ、まだxx部の同窓会が機能していなかった時代、ひょんなことからその立ち上げに深く関わったことを。卒業生名簿の整理に始まり、規約つくりと組織化まで。同窓会の仕事なんて暇人がやるものだと陰口をたたかれながらーー。
 そして、くしくも本年はxx部創立
50周年の節目を迎えております。セレモニーへの招待があってもいいのになー?何はともあれ小生にとっても同窓会を考えるに相応しい時期かも知れません。

実は、つxばに移ってから同窓会には全く関わっていませんでした。同窓会って何なんだろう?学部の同窓会もあれば、もちろん大学の同窓会もあります。同期会という繋がりも、さらに広義にはクラブや部活動の仲間同士のもあります。そんなこんなでヒトとヒトの繋がりは色々あります。

一般論としては、青春のほんのひと時を共通の場で過ごしたというだけで、心を許し合えるという不思議な世界です。台風でポxラ並木が倒れたと聞けば、同窓生なら誰しも一瞬にして農場を思い浮かべ、手稲の山並みが見えてくる。タイムスリップし、そこに各人の想いが重なり、四方八方に広がる。

この展開は同窓生にして初めて共有できるものでしょう。共有するキーワードは時代時代と行動パターンで違うことも多いかもしれません。無x根山、市電、馬x風、クx館、クxxク像、x迪寮、ストーム、xx弥生、大通り公園、植物園、薄x、モツラの時代でした。

純粋培養、「象牙の塔」を飛び出してからは、少し違う世界でした。ときに本音と建前を使い分ける周囲に戸惑い、疑心暗鬼に沈んだ時、同窓生仲間との交流は活力を取り戻すのに最高の滋養強壮剤でした。

 他愛もない馬鹿ばなしに腹の底から笑い転げ、暗雲を吹き散らせた記憶は一度や二度ではありませんでした。その意味でも、あるいは時には仕事の上でも同窓生には節目節目でお世話になり、恩義を感じています。

 何事にも、メリットとデメリットが共存します。前者を活用すれば良いわけであります。ますますの強い連携を築き、人的ネットワークの広がりを期待しながら、ペンを措きます。

2004.10記)


2008年7月16日水曜日

プロフィール

 思いつくままに特に好きな映画と好きな作曲家・歌手の代表を挙げてみると、「時代もの」ばかりだけど好み・かたよりがはっきり見えてくる。生きてきた時代をも投影している。

 このところ殊の外「芸術」に憧れを覚え「アーティスト」が眩しく見えるのは素養と素質に無縁のためか。果てまた我がメンタリティの荒みのゆえなのか。私は一応科学をやってきた。

 To be, or not to be: that is the question

 ―― ってなことを思っても次元が違いすぎか。

2008年7月15日火曜日

ブログタイトル改め


 'as time goes by' net Hiro

   --- 後進ならびに自然との共生

    に変更しました

2008年7月14日月曜日

2008年7月12日土曜日

4年前に書いたものです

学内広報誌編集者から「研究トピックス」欄への原稿依頼を受け、学生をエンカレッジし院生勧誘の下心もあって記したものです。結局のところ、活字数を減らせと言われ拒否したため陽の目を見ませんでした。その時は「失礼な連中だ」と怒り心頭に発したけれど、学生に知らしめるのを優先するなら、こっちが折れて然るべきだったのかな?それとも喧嘩両成敗かな?? 
 したがって本邦初公開!その後大学広報誌からの原稿依頼はばったり途絶えたまま!!

 

研究は本当に面白いのです――間違いない!(このフレーズが流行っていた頃のこと)

元気な学生諸君に伝えたい。自分で問題を設定し、解決法を考え、答えを導き出し実証する、そしてそれを世界に問いかけ自己主張する。これが研究の一連の流れです。したがって、活躍の舞台に国境はありません。時にライバルが真の友にもなります。その意味では、芸術やスポーツの世界となんら変わりません。

答えが既に存在し、そこに如何に早くたどり着くかと言うルーチンな世界とは明らかにベクトルが違います。だから秀才よりもむしろどこかおかしな奴のほうがマトモに見える世界なのです。もしかしてオレがそうかも知らんと思うキミなら、やってみたまえ研究を。

そこにモチベーションがあれば勉強・学問が楽しくてしょうがなくなる筈だ。自分が面白いと感じることをやればいい、不思議に思うことをやればいい、独自のアイディアが浮かんでくる。それでいいんだよ、そこが大事なのだ。

 私は研究活動を通してこんなことを体験しました。ほんの一端を紹介したい。

経済的な面でまだ国際会議参加が難しい4半世紀以上まえ、制がん性白金錯体の研究を行っていた時代のこと。オランダの大家は開口一番こう言った「おお、こんなにも私にとってファミリア―な名前なのに、会うのが初めてとは大変な驚きだ」。私は嬉しかった。自信になった。

アメリカのお偉いさんとは残念ながらあまり気が合わなかった。

ドイツの先生は優しい人でいろいろ議論し観光案内までしてくれた。イタリアの有名教授とはすぐに仲良くなって、星空の下、ワインを酌み交わしながら話し込み、料理に舌鼓を打った。そうそう、変なことを思い出す。確かその折「ムール貝のスープをとろう」と聞こえたが、出てきたものは、山と積まれたムール貝とあまりに少ないスープに驚いた(今にして思えば白ワイン蒸しではなかったかとも思う)。美味しかった。別れ際、「私の北イタリアの別荘を好きな時に使ってくれ」と言ってくれた。

論文上は馴染みのある名前ばかりだが、みんな初対面だった。共通点は研究興味のみ。

今はアルツハイマー症に関わるアミロイドタンパクの研究と、ナノパーティクルであるリポソームを用いる標的化薬物送達法の研究を行っている。これらの研究を通して、少しでも人類社会に貢献・還元できるようになりたいと言うのが、偽りの無い今の心境であります。

 元気な学生諸君一緒にやってみませんか?

 一方、昨今の諸々の社会情勢を見るにつけ、今こそ日本は、新渡戸稲造、内村鑑三、矢内原忠雄を必要としている時代ではないかと痛感しています。元気な学生諸君、志を高く持って実践して下さい。今のキミなら何でもできる。

2004.4記)


2008年7月10日木曜日

5年前に書いたものです2


新たに移った大学の広報誌?コラムへの「趣味」に関する原稿依頼を受けての対応だったと記憶しています。 


時は流れて---
   

趣味は?と問われて答えに窮する近頃だ。かつては、粉雪にまみれながらの山スキー、夏場は地下足袋草鞋で日高の沢登り、薮をこぎガレ場を越えてピークを踏んだ。満天の星空の下、焚き火を囲んで酒を酌み交わしながら、仲間との語らいに酔い、天下国家を論じ自然への畏怖に想いを馳せた。また、スクーバダイビングは、人知の及ばぬ感動的な海の美しさと、その恐ろしさも同時に教えてくれた。

昨今は静的になってきた。幸い国際会議で発表する機会を多く得てきた。論文上の知り合いと、対面を果たすたびに興奮した。あたかも旧知のごとく、一献傾けたものだ。どうしても世界との比較に目が向く。俄仕立てピカピカの愛国者に変貌し、議論は研究・教育は申すに及ばず、文化・歴史、生き方の問題、時には政治や官僚制度、生活の質に及ぶ。

書物で出会った土地を訪れるのが楽しい。これが、レ・ミゼラブルのマドレーヌ寺院なのか、時空の変遷を想うなー。今、ヴェルサイユ宮殿の中にいる、あのダルタニヤンはここで活躍したってわけか。

ここが牢獄シャトー・ディフ、モンテクリスト伯爵の舞台だ。そして今、エピローグのそのホテルの、もしかしたらその部屋に泊まってる!大デュマと同じマルセイユ港の風景を見ているに違いない。

マッターホルンが聳えてる、ウインパーの切れたザイルとピッケル、ザックがある――DNAがこびりついているかも知れない現物をいま目の当たりにしている。ひとり静寂の中でじっと佇んでいると結構感傷的になり、ジンと迫り来るものがある。百聞は一見に如かずだ。帰ったらもう一度読み返そう。

映画の舞台も面白い。次はカサブランカだ、男の美学As time goes byさ!もっと時間(と給料)を!?やりたいことは山とある。

センチメンタルジャーニィーもまた良し、流離いの風来坊、素浪人気質は治るべくもない、風の吹くまま、気の向くままに。でも「世界平和」の4文字はいつも連れて行く!多様な世界、どこか非日常的な場に、ささやかながらお役立ちの場を探るためもある。

2003.9記)

2008年7月8日火曜日

洞爺湖サミットに寄せて


辛口コメントになりました July 8, 2008記

環境サミットと銘打つ洞爺湖サミットが行われています。支持率低迷の世界の指導者、お国のリーダー、世界中から賢人が集結して「地球号」の舵取りを議論している。それ自体は大変に頼もしいことであり、大なる成果を期待したい。

しかしながら問題は、国際学会になぞらえて言えば、なんとも是が非でも聴講したいと思わせるカリスマ性を備えた基調講演者もいない。
 課題山積にもかかわらず大局観もない、科学も哲学もない、夢も膨らまない。これを機に皆で手を携えて歩みましょうとのメッセージも元気も出てこない。良い意味でのアジテーターもいない。

ただ、やたら戒厳令下を思わせる警備は目に付く。際限なく税金を使われた挙句ダンボールくず入りの餃子を食わされてるみたいだ。農薬じゃなきゃいいかという一種のしらけさえ漂う!?

いっそイスラム指導者を呼んで本音トークで問題点をさらけ出し解決策を論じ、手打ちを意図するなら支持できる。 
 そうすりゃ警備費用もほとんど要らぬ。その分高齢者介護に回し、
サミットボーナスとして現場の介護者のために使えば支持率挙がるのになー。


是非小生が記した「20年前に書いたものです」をご一読願えれば幸いと思いコメントしました
6/25 up分「はじめに」の次に入れてます)

2008年7月3日木曜日

2006.6学会発表


Presented at
10th International Conference on Alzheimer's Disease and Related Disorders in Madrid

2008年7月1日火曜日

つくば


5年前に書きました

5年前に書きました。国立研から私立大学に移った時の一種の簡単な自己紹介です。

所属: xx学部

何処から?: 独立行政法人 xx

楽しみ?: 読書、温泉、音楽、山歩き、山スキー、スクーバダイビング(後ろ三つはもはや過去形)

最近接したチョットいい話: 犬猫を救うボランティア活動をしている学生が生命の尊さを「xxx」で訴えていた。私事ながら17年の生涯を閉じたばかりの我が家の愛犬を思い出し、感慨ひとしおだった。きっと素晴らしいxx師さんになるだろう。エールを送りたい。

自己紹介: 人気(ひとけ)の少ない街からやって来ました。歩けばぶつかるヒトの多さに戸惑いがありました。そんな中、キャンパスを彷徨いながら、こんなキレイゴトを考えた。「角が立つほど智に働きたいものだ。 情に掉させ学徒のために。 譲れぬ意地は貫き通す学徒のために。 学ぶ世界はエンドレス。 とかくにこの世は面白い。」(2003.5記)