NASA、地球に似た7惑星発見 水存在の可能性
【ワシントン=川合智之】米航空宇宙局(NASA)は地球によく似た太陽系外惑星7つを39光年先の宇宙で発見した。大きさは地球とほぼ同じで、一部には海が存在する可能性がある。生命に不可欠な水が液体の状態で存在すれば、地球外生命への期待が高まりそうだ。
* 恒星(左)と7つの惑星の想像図(NASA・カリフォルニア工科大提供)
みずがめ座の方角に39光年離れた恒星「トラピスト1」の周りに、大きさが地球の0.76~1.13倍の惑星7つが見つかった。1つの恒星系で7つも見つかるのは珍しい。このうち6つは地球に似た質量で、岩石でできているとみられる。赤外線をとらえるNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡などで観測した。
少なくとも3つの惑星は地表に水が液体のまま存在する可能性があるという。惑星は恒星からの距離が程よく「ハビタブル(生命が住むのに適した)ゾーン」にある。水が蒸発するほど暑すぎたり、凍るほど寒すぎたりすることはない。
トラピスト1は太陽より暗くて冷たい恒星だが、惑星はいずれも地球と太陽の距離より数十分の1の近さで周回する。惑星はちょうどよい温度を保てるという。
ネイチャー誌は論文の内容を報じたニュース記事で、発見された惑星を「地球の7つの妹」と名付けた。トラピスト1は若い星で、太陽が数十億年後に燃え尽きても10兆年は寿命が残されているため「生命の進化に十分な時間がある」と推測する。
NASAは2015年7月、地球から1400光年離れたところに液体の水が存在する可能性がある惑星「ケプラー452b」を発見し「地球のいとこ」と呼んだ。これに比べると今回の惑星は近いが、39光年は光の速さで移動しても39年かかる。将来、惑星を探査したり人間が移住したりするには技術革新が要る。2017/2/23 3:00 日経