開業100周年を迎えた東京駅、10の魅力を紹介
日本の首都への玄関口、東京駅が開業100周年を迎え、ますます輝きを増している。
日本を訪れる旅行者なら一度はこの駅を通るだろう。鉄道網の出発点として開業し、現在も東京の歴史、政治の中心に位置するだけでなく、駅自体が観光スポットとなっている。重要文化財の駅舎をはじめとするこの駅の魅力を、10項目に分けて紹介する。
1.数でみる東京駅
駅舎の長さは実に300メートル以上。1日に3000本以上の列車が発着し、乗降客の数も日本トップクラスだ。1日の売上高は国内の鉄道駅の中で1位とされる。世界の高速鉄道で最も多い利用客を誇る東海道新幹線をはじめ、14の路線が乗り入れている。
2.建築物としての価値
総工費500億円、工期5年にも及んだ丸の内駅舎の復元工事が2012年に完了。第2次世界大戦の空襲で焼失した2つのドームを含め、建設当時と同じれんが造りの建物がよみがえった。
3.秘密のトンネル
東京都心の地下には、主要な政府機関を結ぶ秘密の通路網があるとうわさされている。その中でも最古とされるのが、1930年代に建設された東京駅と中央郵便局の間の地下通路だ。
東京駅は地下通路で6つの駅とつながっている。迷路のような通路網は、防空壕(ごう)として整備されたといわれている。丸の内駅舎には免震構造が採用され、地震などの災害時は避難所としても利用できる。
4.外国人対応の観光拠点
丸の内北口にはJR東日本が運営する「トラベル・サービス・センター」がオープン。外貨両替所や手荷物預かりカウンター(午前7時30分から午後8時30分)などが設けられている。スタッフが荷物を運びながら新幹線などの乗り場まで案内する有料のポーター・サービスも提供。公衆無線LAN(Wi-Fi)やパソコンも無料で利用できる。
5.暗殺事件の現場
東京駅では過去に2回、時の首相を狙った事件が起きている。1921年、当時の原敬首相が右翼の鉄道省職員に刺し殺された。原氏は日本初の平民出身、キリスト教徒の首相だった。
その9年後には濱口雄幸首相が銃撃を受けた。一命をとりとめたものの、この時の傷の影響もあり翌年死亡した。構内2カ所の現場には、それぞれの事件を説明したプレートが設置されている。
6.東京ステーションギャラリー
「小規模ながら本物のギャラリー」を目指し、12年にリニューアルオープンした東京駅の美術館。現代美術作品や鉄道、建築、デザインにまつわるテーマの作品を楽しむことができる。
7.イルミネーション
東京ではクリスマスシーズンのイルミネーションが至る所にみられる。
八重洲口の歩行者空間「グランルーフ」では12月1日から2月14日まで、光と音のインスタレーション「Tokyo Colors.」が楽しめる。風の流れによって光が変化するという演出が見ものだ。
「東京ミチテラス」と題したイルミネーションでは、駅の開業100周年を記念して丸の内駅舎を大正ロマンのテーマでライトアップする。
8.ラーメンストリート
東京といえば食べ歩き。東京駅の八重洲口には「キッチンストリート」というレストラン街のほか、つけめんで有名な「六厘舎(ろくりんしゃ)」などの有名店がそろう「ラーメンストリート」がある。ストリートといっても屋外の道路ではない。混雑を避けるには、午前7時半から10時の間に訪れるのが良さそうだ。そう、朝食にラーメンというのが東京式だ。
9.お土産天国
東京駅ではお金や時間がいくらあっても足りないほど。ハローキティやムーミン、ポケモンのファンなら、東京キャラクターストリートものぞいておきたい(こちらも本物の道路ではない)。お土産向きのキャラクター小物ショップなど15店舗が並んでいる。
食べ物のお土産としては、れんがをイメージしたパンやクッキーなど、菓子の種類が豊富だ。忘れてはいけないのが、スポンジ生地でクリームを包んだ「東京ばな奈」という菓子。東京とのつながりは不明ながら、とてもおいしい。
10.100年の歴史を持つホテル
東京ステーションホテルは来年で開業100周年。東京駅が関東大震災を無傷のまま耐えた後、欧風のしゃれた建物は要人たちが集まる社交の場として利用された。今も午後のひととき、多くの政界人らがここに集う。宿泊料は1泊3万7000円前後から。
2014.12.31 Wed posted
at 09:08 JST CNN